家賃保証会社社員が本気で何でも答えたら

家賃保証会社に関してネットには嘘や誤解が多すぎる。だから自分が答える!

【質問】遅れた家賃は入居者の代わりに保証会社が支払う?

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メールで質問をいただきました。ちょっと面白い内容だったのでご紹介と解説いたします。

保証会社を使っても保証会社が一時的に立替えてくれるだけで後日保証会社へ支払わなければならない、となってしまっている状況を知りたいです。本来であれば借り手が保証料を支払っているので、一時的な立替えではなく、借り手の代わりに支払う(借り手は返済しなくても良い)というのが望ましいのかなと思っています。
今まで保証会社は代位返済するのではなく、借り手の代わりに支払いをしてくれるものだと思っており、衝撃を受けています。

保証会社は、代位弁済をする仕組みの為、借り手が返せなくなったらその分代位返済が発生。
損害を防ぐ為に、回収コストを掛け、債権回収を行う
→でも借り手は延滞するくらいなので、十分な収入確保が出来ていない為、また延滞する
→また保証会社が代位返済
→損害を防ぐ為に、回収コストを掛け、債権回収を行う
と取れないところから無理に取るという借り手からすると恐ろしい悪循環、取り立てのスキームとなっていないでしょうか。


こういう質問を読むと、まだまだ一般社会には浸透していないなと思います。

質問者は今まで、保証会社は立て替えるのではなく、保証会社が入居者の代わりに支払っていると思っていたようですね。さらに保証会社の立て替え、回収のサイクルを悪循環と言われています。

これはたぶん、質問者側の経験とインターネットや社会的な偏見をモロに受けた影響だと思います。こういうのを見ると少し悲しいですね。

しかし、これは大変ありがたい質問でもあります。このように考えている方はまだまだ氷山の一角、だとすればこれを広めるのは家賃保証会社側の役目ですから。

まず、大前提として、賃貸借契約における家賃の支払い義務は契約者(入居者)または連帯保証人にあります。家賃は期日までに支払わないといけないものであって、遅れてよいわけではないのです。家賃が遅れると最初からわかっていた場合、貸してくれる大家さんはいませんし、契約してくれる保証会社もありません。

支払い義務は契約者にあるわけなので、当然保証会社にはありません。

家賃が遅れたときに立て替えるのではなく、保証会社が代わりに支払うのだとしたらそれは保証ではなく、保険に近いです。

一例ですが、ガン保険を考えてみてください。
ガンは起こる確率は高いとはいいますが、めったに起きません。そのめったに起きないことに対して保険としてお金が出ます。ガンは自分で引き起こすことはできないので起きる確率と保険金額を考慮して保険料を取っています。

一方、家賃で同じことを考えると、家賃滞納は自分の都合で起こすことができます。そのため、保証会社が代わりに支払ってしまい、入居者が支払わないとすると、意図的に家賃を遅れたら入居者の逃げ得になります。

保証会社が「この人は家賃が払えるから大丈夫です!」と保証しているのに、家賃が払えないということはその人は保証できない人ということになります。これはつまり部屋に住めない人ということにも繋がります。

最初から遅れる前提で契約する保証会社はありませんので、家賃が遅れるのが確定しているならそれは保証会社を使わずに住める部屋を探さないといけません。

一方、家賃が遅れないことがわかっている場合にも、やはり保証する必要がありません。

そうなると保証会社が社会に必要とされているのは、家賃が遅れるかどうかわからない層が一定数いるからです。結果、保証会社が一時的に立て替えるというスキームが出てきます。

もし家賃が遅れるたびに保証会社が代わりに支払った場合、それはものすごく高い保証料を取るということになります。そうしないとビジネスが成り立たないからです。家賃が遅れない層は保証会社を使わない、家賃が遅れるかもしれない層は高い保証料を支払う。でも、遅れるかもしれない人に高い保証料を請求しても取れないですよね?

だから、保証会社は今の形が最善なのです。

家賃が遅れている支払いができないところから無理に取るという悪循環がある、というのはかなり大きな誤解があります。

大前提の家賃が遅れてはならないというところが崩れてしまっていますし、お金を無理に取っているのではなく、住み続けたいなら支払うしかないからどうしますかと選択を入居者に委ねているわけです。

ここは何回説明してもわかってもらいづらいところですが、家賃保証会社は追い出し屋ではありませんし、取り立て屋というには御幣があります。

家賃が遅れている場合、その支払いをしてもらうのも当然ですが、保証会社は、その立場上、今後どうなるかを考えます。来月以降もまた遅れるようであれば、その人には支払い続けることができないということなので引越しを進めます。そうしないと生活が破綻することがわかっているからです。

それでも、なお、部屋に住むということであればお金を用意して支払い能力があることを示してください、でないと保証会社は保証できません、つまり部屋に住めませんというロジックです。

無理に取って悪循環にしているのではなく、払えないなら引っ越せばよいのに、払えないのに住もうとするから悪循環に陥ります。

ここで必ず言うのは引っ越すお金がない、ということです。しかし、これは自身の責任ですし、引っ越すだけならお金は掛かりません。お金がかかると思っているだけです。引越し先がないとも言われますが、実家に帰るか、知人を頼るか、とにかく自分で考えることです。

なぜなら部屋は家賃を払わないと住めないからです。

また、よく言われるのは、部屋を出たのに家賃を払うのは納得できない、というやつです。

家賃は毎月前月の末までに支払う契約です。だから支払いができないとわかった時点でお金の工面に動くか、引っ越す決断をするかが必要です。

賃貸借契約とはそういう内容を互いに納得した上で結んだ契約だからです。

しかし、保証会社も無慈悲な対応をするわけではありません。だから家賃が遅れても支払い予定と追いつく予定を確認しますし、待てる範囲であれば待っています。

だから家賃が遅れたときにはすぐに保証会社に連絡しましょう。

あとパチンコやめろ。

契約っていうのは、約束を守るっていうことです


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結局、家賃保証会社に賃貸借契約の解除権は認められるのか?【大阪高裁平成25年11月13日賃貸借契約解除判決】

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少し面倒な、法律の話をします。

大阪高裁平成25年11月13日賃貸借契約解除判決というものがあります。

これは保証業界では有名な判例なのですが、端的にいうと、家賃保証会社でも賃貸借契約を解除できることがあるという判例です。

結構面倒な話なのですが、賃貸借契約は家主と入居者の契約です。だから法的な話をするときにはすべて家主と入居者で話をします。

家賃を払わなければ当然、部屋には住めませんので入居者は部屋を出ないといけません。しかし、日本には居住権というものがありますので、家賃を払わなかったからすぐに部屋を出ないといけないというわけではありません。

感覚的には払ってないんだから部屋を使うな、というのはあるのですが、法的には許しません。そして、家主が実力行使をした場合、例えば鍵を変える、今すぐに出て行けと強硬手段に出るなどをするのは自力救済といわれる行為で基本NGです。

そのため、家賃を払わないなら部屋を出てくれない?と交渉するのは自由ですが、それでも入居者が出て行かない場合には法的には建物明け渡し裁判をして判決を取らないといけません。判決が出ても入居者が出て行かない場合には裁判所を通して強制的に、かつ、合法的に追い出すことができます。これを強制執行といいますが、費用は家主持ちです。

厳密には、入居者に請求できるのですが家賃を払わずに裁判になって、裁判で負けているのにそれでもなお出て行かない入居者です。遅れている家賃も裁判費用も強制執行費用もすべて払うわけがありません。払うのは非常に稀です。口座を差し押さえることができる、給料を差し押さえることができるから大丈夫というのは考えが甘いです。取れるのはレアケースです。

家主もやってられません。ですが、家賃保証会社が入ると遅れている家賃も裁判費用も強制執行費用も保証範囲だったりします(保証会社によります)。だから便利なのですが問題があります。

家賃保証会社が契約に入っている場合には、家賃は保証会社が立て替えます。だから家主には金銭面では困っていないわけです。入居者が払わずに困るのは保証会社です。保証会社もずっと回収できないなら損害なので部屋を出て欲しいわけです。

そこで建物明渡し訴訟を行うわけですが、保証会社は賃貸借契約に関わっていないので(契約書に名前が載っていない)ので保証会社が訴える場合には保証契約書を根拠に争うことになります。

保証契約書には保証会社、家主、入居者が明記されていますから、保証会社から訴えることができそうです。

問題になるのは部屋を出て欲しいと訴える根拠。家賃を払っていないから部屋を出て欲しいというのはその通りですが、家賃は保証会社が立て替えているので家主は困っていない、だから法律上、家主が入居者に部屋を出て欲しいという根拠がないという話になります。

法的な話をすると、「家賃滞納が続いているので部屋を出て欲しい」となっている状態を「信頼関係の破壊」といいます。これは感情的な話ではなく、法的な言葉です。法律ではどうなったら信頼関係が壊れているとは記載がありませんが、裁判所の判例ではおおよそ家賃が3ヶ月遅れていれば信頼関係が破壊されていると見なされます。

ここも面倒なのですが、法律には明記できないことが多いです。はっきりと明記してしまうと実生活では困ることが多いのでかなり緩めに作っています。代わりに、法律に書いていないことは裁判で争って、裁判所の判決を「法律と同等に見なす」ことができます。

説明が長くなりましたが、家賃が3ヶ月遅れたら部屋を出ろと裁判できるということです。

ここで問題になるのは、家賃保証会社には賃貸借契約の解除権があるか、です。家賃保証会社の名前は賃貸借契約に名前がありません。保証契約には情報がすべて載っていますので、賃貸借契約書と保証契約書を見れば状況はわかりますが、それで保証会社からの訴えを裁判所が認めるかは別問題です。

過去には家賃保証会社には賃貸借契約の解除権が認められないとされていました(だから家主から訴えるしかなかった)。しかし、大きく変わったのが大阪高裁平成25年11月13日賃貸借契約解除判決です。

この判決では家賃保証会社に賃貸借契約の解除権を認めています。

しかし、短絡的に判断ができないのは、家賃が遅れている場合には保証会社に解除権を認めている、とは限らないことです。可能性でいえば、この判決の案件が特殊だったので、この場合は保証会社に解除権を認める、という内容である可能性があります。

この判決は高等裁判所のものです。裁判所は上から順に最高裁判所、高等裁判所、地方裁判所となります。

基本的には最高裁判所で認めた内容が判例として広がりますが、おそらく最高裁判所の判決はいまだ出ていません。そのため、高等裁判所の内容が注目されているわけですが、地方裁判所では現在でも、必ずしも保証会社に解除権を認めているわけではないです。

普通、地方裁判所は高等裁判所の判決に従いますので、今後どうなるかは注目度が高いです。

ところで、なぜ突然こんな話をしたかというと、以前質問を受け、回答した家賃保証会社フォーシーズと消費者支援機構関西ケーシーズのことで、進展があったからです。

ケーシーズはフォーシーズのことが大好き(???)のようで、2016年にケーシーズからフォーシーズに申し出たことを2019年の現段階でも揉めています。それがついに2019年6月21日に判決言い渡しがあるそうです。

話の趣旨は、ケーシーズがフォーシーズの契約書の内容がおかしいと言っています。保証会社に解除権を認めるかどうかも裁判に含まれている可能性があるので注目しているのです。

実際には本当に契約内容だけを見ているのかもしれません。ケーシーズは相当に粘着質みたいなのでこういうのに付きまとわれるのは嫌ですね。判決とはいいますがこれは地方裁判所の話なので、ケーシーズのしつこさを考えると高等裁判所まで行く可能性もあるにはありますが。

フとケは似ているので、紛らわしい


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SFビルサポートの民法改正情報はわかりづらい!【賃貸人の修繕義務】

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SFビルサポートがホームページをリニューアルしたのは2018年9月頃だったと思います。見た目はだいぶかっこよくなったのをよく覚えています。

リニューアルしたのは単純に古かったものを一新した、というのもあるのでしょうが、民法改正のことを積極的に出したいからだと感じました。

家賃保証業界ではたびたび民法改正が話題になりますが、2020年4月に民法改正があります。この際に家賃保証会社に関わる部分が大きく変わるので、追い風とか、波に乗っているとか、右肩上がりとか各社言っていますね。

営業的にも採用的にも株価的にもありがたいのでしょうね。

民法改正で大きく関わるのは、連帯保証人の極度額が設置されることです。極度額とは、これ以上は払わなくていいよという上限金額のことです。

今までの連帯保証人の場合、契約者が家賃を払わなかったら無条件で連帯保証人が支払わなければいけませんでした。家賃が10万円だとして、毎月契約者が払わなかったら毎月連帯保証人が支払うことになります。1年間で120万円、2年間で240万円、10年間で1200万円、20年2400万円です。

すべて、無条件で支払わなければなりません。

さらに賃貸借契約における契約者が支払うべきものも連帯保証人が支払う義務があります。よくあるのは退去時の原状回復費用(修繕費)です。経年劣化の比率と契約者の重過失や故意があるかどうかに大きくよりますが、際限がありません。

そのため、家賃10万円だったらなんとか保証できると思って契約書に捺印したが最後、退去して最後の清算が終わるまで連帯保証人の責任が付きまといます。

ちなみに、賃貸借契約上、連帯保証人は解約権限を持っていません。だから入居者が家賃を払わないので契約を解除するので追い出して欲しいと連帯保証人から言われても対応できません。入居者のゴネ得です。

要するに、連帯保証人としての負担があまりにも大きすぎるということです。

そこで民法改正では極度額を設置しました。賃貸借契約を結ぶ際に、連帯保証人としての責任はいくらまでと先に決めるのです。極度額を100万円で設置した場合、連帯保証人に請求できるのは最大でも100万円です。家賃10万円で毎月家賃が遅れたとしたら、10ヶ月分は連帯保証人に請求できますが、11ヶ月目以降は支払い義務がありません。

今までは連帯保証人の支払い義務に上限がなかったのに、今回の改正で上限を定めたのです。

ですが、困るのは家主です。今までは連帯保証人がいたから安心!だったのに請求できる金額が限定的になります。では極度額を上げたらよいかというと話はそんなに簡単ではありません。

極度額1,000万円の契約です、と聞かれてあなたは「大丈夫です」と言えますか?今までは金額が提示されていなかったので大丈夫だろうと思って、軽い気持ちでも契約できましたが、あなたには最大で1,000万円の支払い義務があります、と金額を提示されると普通は躊躇します。

つまり、連帯保証人がつかないことで契約率が落ちる、空室率が上がる、家主の収入が減る、ということに繋がります。

ですが、ここに家賃保証会社が入れば少なくとも家賃分は毎月保証会社に請求できます。最近では原状回復費用や賃貸借契約の更新料まで保証する、という保証会社も出てきていますので連帯保証人がいなくともなんとかなります。

連帯保証人なしでも契約できるということは契約率が上がる、空率率が下がる、家主の収入が増えるということです。

だから家賃保証会社は各社、追い風だといっています。

さて、ここで話をSFビルサポートの話に戻します。

SFビルサポートのホームページリニューアル後のコンテンツを見ると明らかに民法改正を意識しています。民法改正がこのようにあるから家賃保証会社を利用した方がよいよ!だからお問い合わせください、と繋げたいのかもしれません。

もしくは単に民法改正のことを細やかに説明することで家主の支持を集めたいのかもしれませんが。

しかし、しかしです。書いている民法改正のことがわかりづらい!今回の民法改正の賃貸人の修繕義務編を抜粋します。

今回の民法改正で、賃貸人は修繕義務を負うが、賃借人の帰責事由のある場合に修繕義務を負わないことを明文化しました。

明文化されたことでの今後の懸念点
賃貸物の破損などが生じた際に、賃借人が賃貸人の修繕義務の不履行を理由とする損害賠償請求を主張する場面において、賃貸人が賃借人の帰責事由による破損を主張して修繕義務の発生を争う場合など賃借人の帰責事由の有無が問題になる紛争が増えることが予想されます。


法律家や業界関係者はともかく、一般消費者や家主はわかるのでしょうか。民法は基本的な原理原則が難しいというのもありますが、単純に読みづらいのが厄介です。

上記の文、難しそうに書いていますが、言っていることは3行です。

部屋が壊れたら家主が直してね
でも入居者が悪いなら入居者が直してね
法律で決めたから揉めたら裁判するしかないね


当たり前すぎて何を言っているのかわからないと思いますが、現在の民法と比べると意味がわかりやすいです。

現行の民法では、

部屋が壊れたら家主が直す
原則家主が直す
でも家主が直すはずが入居者が直した場合は金額を家主に請求できる


部屋の破損を対応するのは原則、家主です。

2020年からの新民法では

部屋が壊れたら家主が直す
入居者が直してって言っているのにしばらくしても家主が対応しない場合、急ぐ必要があったら入居者が直してもよいよ


となりました。何が違うの?と思うかもしれませんが、現行は原則家主ですが、新民法では入居者が直すことを認めています。

SFビルサポートの言っている
今回の民法改正で、賃貸人は修繕義務を負うが、賃借人の帰責事由のある場合に修繕義務を負わないことを明文化しました。

はたぶん、このことを言っているのではないかと思います。

該当している箇所が違うのかもしれませんが、私にはそう読めました。だって、入居者が直すべきものを家主が直さなくてもよいというのは今までもあるでしょ。と思うのですが、私は法律の専門家ではないので~と逃げておきます。

ここまで書いていることは勉強会からの受け売りですので、厳密なところは弁護士に聞くのが正解です。

最近、私のブログを元に話題にすることがあると読者から聞きましたが、私は法律家ではないので、参考にしてもらうのは大歓迎ですが、法的根拠を求められるとかなり厳しいです。

書いていることが間違っていたら、私の勉強が足りないということなので指摘してもらうとありがたいです。

民法は理解が難しいので読みやすいように改正してほしい


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ニッポンインシュアが資金管理に信託を利用した

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4月1日にニッポンインシュアの公式HPで資金管理に信託を利用したというニュースがあります。

私はエイプリルフールにガチっぽいニュースをアップしているので気合い入ったフールだなと思ったら、本当に信託を利用するようです。

ニュースには、ニッポンインシュアが破綻をしてもオーナーは安心、と書いていますが、業界にいない人にはなんのことかわからないのではないでしょうか。

家賃保証会社には2つの立て替え方法があります。

1つは通常の代位弁済です。つまり、家主や管理会社が家賃の入金を確認し、入金がなかったら家賃保証会社に家賃が遅れていることを報告し、立て替えてもらう方式です。

もう1つは収納代行(集金代行)です。つまり、家賃の引き落としを家賃保証会社が行い、毎月家賃保証会社から管理会社や家主に送金するシステムです。これは管理会社が入金の確認をしなくてよく、家賃の延滞があったときにも延滞報告をしなくてよいので大変便利なシステムです。

ですが、大きな穴があります。

家賃保証会社の倒産です。

大きなところではリプラスという家賃保証会社が2008年に倒産して大変なことになったことがあります。リプラスは収納代行を提供してましたので、毎月入居者の家賃をリプラスが引き落としていました。引き落とした金額に滞納した差額を加えて管理会社に送金するのが本来です。

しかし、リプラスの場合、送金前に倒産してしました。家賃は引き落としたのに、送金しなかったんです。これが大問題になりました。

入居者は家賃を払っているのに、家主には家賃が入っていない。これでリプラスが払わなかったら入居者が泣くか(家賃をもう1回払う)、家主が泣くか(1か月分は諦める)しかありません。

それまで家賃保証会社が倒産するということは家主側も管理会社側も考えておりませんでした。単に家賃滞納があってもなくても毎月家賃が必ず入る収納代行は便利、毎月必ず家賃が入るのだから入居審査はしなくてよいので便利、家賃が遅れても督促は家賃保証会社がするから便利、程度に考えている方もいたようです。

しかも、リプラスは当時マザーズに上場している大手保証会社ですから信用力も抜群で、さらに保証料を値下げしていましたので家主にとっては大手の信頼できる保証会社が安く利用できるということも拍車をかけていました。

このように収納代行は使い方を誤れば諸刃となるシステムです。

そこで登場したのが銀行の信託契約です。保証会社によって呼び方が違うようで、管理信託といったり、信託契約といったり、信託口座といったり、単に信託といったりするみたいですが、すべて同じ意味です。

今までの収納代行でのお金の流れは

入居者 → 家賃保証会社 → 家主

でしたが、信託契約では

入居者 → 保証会社に依頼された銀行 → 家主

となります。
※厳密には保証会社が引き落とすのではなく、保証会社に依頼された決済代行会社が引き落とすのですが、お金の流れの話ですのでここでは割愛します。

信託を利用すると物理的に保証会社を経由しません。引き落とした資金は銀行が「家主のお金」として管理します。家主のお金ですので保証会社が使おうとしても銀行が使わせません。引き落とした家賃は銀行から家主に送金しますので、家主は確実に受け取ることができます。

そのため、家賃保証会社が倒産しても家主も入居者も困らないというわけです。

信託は数年前から各社利用するようになりましたが、まだ少数派のように思えます。

今の段階で信託を利用しているのは日本セーフティー全保連日本賃貸保証(JID)ジェイリースフォーシーズエルズサポートニッポンインシュアアールエムトラストとかでしょうか。

家賃保証会社が倒産するとみんな迷惑する。だから倒産しない保証会社を探しましょう


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家賃保証会社の法人審査について

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家賃保証会社は賃貸物件であれば基本受け付けますが、居住用物件が多いですよね。

居住用物件以外というとオフィス、店舗、倉庫などがあります。個人事業主がオフィスや店舗を借りることもありますが、法人が借りるということもよくあることです。

最近ではオフィスや店舗の保証も増えてきましたが、それでも制限が多く、本格的に事業用物件を保証しているという家賃保証会社は少数派です。

そんな法人ですが、受け付けているところはどのような審査をしているのでしょうか。

個人にしても法人にしても家賃保証会社の審査はすべて非公開です。そのため、調べても情報は出てきません。自社の審査内容であればよくよく存じておりますが、それを書くと身ばれする可能性がありますのでできません。

ですが、基本的には家賃が継続して払えるかどうかがすべてです。しかし、保証会社で高額案件を受けなかったり、保証案件に家賃の上限金額を設けたりするのは家賃の回収ができずに退去交渉をするようになったときの面倒さが一般住居のときとは比較にならないくらい難しいので、仮に裁判になって退去させるということになっても被害額が少なくてすむように、保証会社は保証会社なりにリスクヘッジしているのです。

裁判で家主が勝てばあとは退去させられるかと言うとそうでもありません。例え勝訴をしても相手は家賃が払えなかった法人です。そうそう簡単に移転できる場所も見つかりませんし、お金もありません。そこで強制執行になるわけですがこの費用は保証会社か家主の負担です。100万円くらいはまだまだ安いほうです。びっくりするくらいの費用が掛かるので保証料をもらっていても1回の訴訟をするだけで利益が一気になくなります。

お金がなくとも法人なので差し押さえるものはいっぱいあるだろうと思うかもしれませんが、家賃が払えなかった法人です。換金性の高いものは普通残っていません。

仮に倒産するとますます厄介です。会社の負債は会社のものですから破産したらそれでおしまいです。一切の回収先がなくなります。そこで代表者を保証契約の保証人にしておくわけです。個人の契約の場合には今後、連帯保証人を取るということはなくなるか縮小するはずですが、法人の場合には代表者を連帯保証人として取るというのは残り続けると思います。

ですが、代表者がお金を持っているかと言うと大間違いです。社長なんだから給料は良いはずとか、お金持ちのイメージがあるかもしれませんが、家賃保証会社の現場レベルでは、社長はお金を持っていない方が普通です。だって、家賃が払えない法人の代表ですから。

そういうわけで代表者を連帯保証人に取っても回収には時間も手間も掛かります。

という裏事情があるので家賃保証会社は事業用物件を積極的には受けないし、受ける場合でも審査の段階で書類をいろいろもらって吟味します。本当に将来的にも家賃を払い続けられるのか。

でも、法人の業績は上下するものですから数年後に会社が残っている保証はどこにもないんですけどね。

そして、家賃保証会社の利用率は8割近くあるとは言ってもほとんどは居住用のことだと思います。残り2割の市場を取ったら次のフロンティアは事業用です。

ということもあって、ジェイリースは数年前に事業用に参入してきたのだと思います。

ちなみに、現段階で積極的に事業用案件を受けていている家賃保証会社もあります。

SFビルサポートアース賃貸保証フォーシーズAAAホールディングスニッポンインシュアあたりがよく聞く名前ですね。

法人でも事業用でも受けないと保証会社の更なる普及はしないんだけどね


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