ラクーンホールディングスは元々、ラクーンフィナンシャル(旧社名、トラスト&グロース)という事業用の家賃保証会社を持っていましたがアレモの買収により居住用にも力をいれ、グループとして本格的に家賃保証業界に参入するようです。
しかし、残念なのはラクーン本体側のプレリリースです。
何が残念かと言うとラクーンフィナンシャルのことに触れ
同社が提供する『事業用家賃保証』は、オフィスや店舗などの事業用物件において家賃滞納が発生した際に代って支払うサービスです。
と書いていることです。やっぱりラクーンも家賃保証のことを遅れた際の立替サービスだと思っているようで残念でなりません。
遅れた際に立て替えるということは、遅れなければ何もしない、という意味に聞こえます。しかし、実際には遅れていなくとも敷金の礼金の減額や入居審査の簡素化、連帯保証人を用意できない方、用意したくない方への賃貸借契約の簡素化など、実態として見えづらいところで大きく貢献しているはずなのです。
立替サービスとなると、家賃が絶対に遅れない人にはまったく無意味なサービスに取られかねませんが、そうではありません。更に言うと、どんな人でも家賃は遅れる可能性があるから家賃保証会社が入っているはずなのです。以前も書きましたが、家賃が100%遅れない入居者に付ける保証会社は必要ありません。
このあたりは見せ方とか、アピールのやり方でだいぶイメージが変わると思うんですけど、どこもこういうこと書きませんよね。
あんまり家賃保証会社は立替サービスだと連呼すると、家賃は遅れづらい方向け賃貸物件が流行るようになったり、家賃保証会社を利用しない代わりに連帯保証人を付ける風潮が強くなって、わけの分からない連帯保証人代行屋が流行ったり・・・しないと思いますけど、そうなったら嫌だな、と思った次第です。

しかし、何故アレモなのでしょうか?買収するにも安く抑えようと思えば他社の選択肢もあったはずです。アレモは大手保証会社というわけでもありませんのでやりやすかったのかもしれませんが、経営が比較的堅実だったからでしょうか?
アレモは普段はあまり注目される家賃保証会社ではありません。規模がそれほど大きくもなく、特段目新しいリリースをするわけでもなく、情報を公開するわけでもないからです。しかし、1点だけ、家賃保証会社として大きな特徴があります。それはLGOに加盟していることです。
LGOに加盟している保証会社は現在5社しかありません。アレモの他にはCasa、日本セーフティー、フォーシーズ、ハウスリーブです。そのため、LGO関連では何かと見られる会社ではありますが、もしかしたらラクーンの子会社になったことで今後、何か動くかもしれません。
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