その名も、Night Lady Plan(ナイトレディプラン)。新聞にはホステス向けと書いていますが、水商売や風俗店舗で働く女性向けサービスです。
このサービスを見て、色々驚きました。
まず保証料は家賃1か月分というのに驚きました。業界的には月額賃料の30%~100%と言われていますので、100%は高いです。水商売や風俗関係の方は、一般の方に比べると滞納率が高かったり、逃げちゃう率が高いので保証料が高いのかー、と思っていたら・・・
ライフカードを発行すると50%が戻ってくる仕組みだそうです。
家賃は地域によって大きく違いますのでなんとも言えませんが、東京で賃料10万円は普通ですが、ほっと保証の本拠地、北海道なら家賃5万は普通です。25000円バックと言いますが、クレジットカード会社からすると25000円で会員が1名増えるなら儲かりもんです。広告出して会員を増やすことを考えると獲得単価がかなり安い。
ほっと保証は50%で引き受けられるなら普通なので、ライフカード側にメリットがありそうです。
そして、記事には
これまで個別に保証してきた顧客そうだが、商品化することでさらに利用が増えるだろう。独自の審査基準を設け、高通過率を実現する。高い回収率を維持する当社だからこそ提供できる商品だとあります。
いろいろ突っ込めます。
これまで個別で受けていたというのは、今まで引き受けていなかったということです。ホステスは確かに滞納率や夜逃げ率は高いですが、今までそれだけの保証ができなかったという裏返しです。家賃債務保証会社の業務は保証することなので、滞納するから保証しませんでは大家のためになりません。むしろ、滞納するかもしれないけど私たちが付いているから安心して貸してください、と大家に言えるのが本当の保証会社です。
と思います。
独自の審査基準と書いてあります。独自の審査基準と言うフレーズはどの保証会社でもよく使うフレーズですが、これは単に審査基準を他と共有していないというだけの話です。例えば、クレジットカードの発行時には信用情報をチェックします。これは共有している審査基準があるから、しかも精度が高く、確立されているからです。一方、家賃保証会社はこういう情報を基本的には共有せず、精度も会社ごとに違い、確立していません。それを「独自基準を設ける」と言っています。別に悪いという意味ではありません。独自基準を設けているからすごい、風な書き方をしているように見えますが、どの保証会社もやっている普通のことです。
高通過率を実現するとあります。ホステス向けのサービスなのに、審査次第では落とすホステスがいるように見えます。
高い回収率を維持と言います。高い回収率がどの程度なのかは気になりますが、普通、家賃が遅れても待てば支払いします。ただ、待つとキャッシュが持たないので保証会社に立て替えてもらいます。つまり、そもそも回収率は低くありませんが、自分たちは高いと言っています。たぶん、どの保証会社も高い回収率を保っていると思います。
というよりも低い回収率な家賃保証会社はもう残っていないと思います。
そして、この記事を見て何よりも思ったことは
ホステスを保証するサービスって既にあるよねー、ということです。「ホステス向け」サービスはありませんが、ホステスを保証してくれる保証会社は既にあります。それをわざわざ言うのはホステスという言葉が目を引くからだと思います。
こういうのは戦略もあるのでしょうし、経営には戦略は欠かせないのですが、なんだかなーと思う次第です。
あー、言っておきますが、私はほっと保証が嫌いなわけではないですよ。ほっと保証がどう言ったか分かりませんが、この記事の書き方が気に食わないだけです。
自分たちも頑張って保証しているつもりなのですが、新サービスです、すごいでしょ感を出されると、もう世の中にあるサービスだし、と思ってしまうだけです。

ご意見は info@hoshokaisha.jp まで
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