元・家賃保証会社社員が本気で何でも答えたら

家賃保証会社に関してネットには嘘や誤解が多すぎる。だから自分が答える!

フォーシーズが新サービスをはじめたらしいが、一風変わりすぎて何がしたいのか分からない

フォーシーズというオフィス系に強い家賃保証会社があります。このフォーシーズ、他の保証会社と比べてもだいぶ特色がある独自路線なのですが、ホームページを見るとまた新しいことをはじめたようです。

倉庫・工場・貸地探しというサービス?なのですが、正直よく分からない。

元々「お部屋探し」と「オフィス・店舗探し」というサービスがあり、家賃保証会社が不動産賃貸業もやっていて、部屋を探せるのかと思いきや、地域から不動産会社を探せるという機能があるだけです。

この機能の趣旨がどこを見ても書いていないので何をしたいのか分からないのですが、おそらく、今の時点でフォーシーズと契約している入居者が次回も使ってもらえるように、提携している不動産仲介を探せる機能なのだと思います。実際、引っ越した際に再度使うことで割引があるとホームページにあります。

しかし、悲しいかな。家賃保証会社を入居者が選ぶようになるのはまだ先の話。実際には不動産会社が家賃保証会社を指定しています。本当は入居者が選べるようになると悪いところは淘汰されるので良いと思うんですけどね。

さて、たぶん、そんな提携不動産会社を調べることができる機能ですが、通常の住居とオフィス系以外に倉庫、工場、貸地も始めたようです。相変わらずマニアック路線です。

倉庫も工場も貸地も普通の家賃保証会社は保証しない分野です。保証しないというよりはリスクが高すぎて保証したくないし、利益が出づらい分野だからだと思います。

一般的には倉庫や工場は家賃単価が高めなので、契約時の保証料は高めです。しかし、一度家賃が遅れた時が大変です。一個人の家賃延滞の場合には一般的には次に給与で払えます。しかし、法人の家賃延滞があったときには、次の支払いがいつになるのか確定しないことが多いからです。

たぶん、戦略的に他の保証会社が取らないところを取ることでリスク分散して多少の延滞があってもプラスになるようにしているのだと思います。そのあたりが功を奏しているのでしょうが、実績ページを見るといい感じで右肩上がりです。

右肩上がりなのは家賃保証会社は大体右肩上がりなのですが、フォーシーズの場合はオフィスや工場などの高額帯を取ってのことだから真似ができない。

そして、工場や倉庫の最大のリスクは訴訟になったときだと思います。一般的な住居では家賃滞納があり裁判をした場合、相手が出ていかなければ立ち退きの強制執行を行います。いわゆる、強制退去です。荷物は専門の業者が運び出して入居者に渡すか処分するかします。

工場の場合、通常では考えられないような備品があったり、什器があったり、薬剤があったりするので、普通、怖くて手が出せない分野です。そのあたりのリスクまで背負っているのでやはり真似できない。

ちなみに冒頭で独自路線と書きましたが、フォーシーズはオフィス系で強いというのはもちろん、家賃の上限額を定めず、家賃の立て替え回数を定めず、審査の承認率は98%以上でいわゆる保証ブラック以外は全て通るとまで噂されている会社です。広告は常人には理解しがたいものを出します。

ちなみに一般的な家賃保証会社の審査承認率は高くても8割~9割です。ほとんどの人は通りますが、それでも割に合わない人は審査に通りません。98%を公言している保証会社のはフォーシーズとアドヴェントくらいです。

ちなみのちなみに無借金経営を前面に出していますが、借り入れはない方がよいけれど、借り入れがあることは何も悪いことではないので、どこまで響くかは微妙です。そういう意味では、他の保証会社とはやり方も主張もまったく違うので独自路線です。

ちなみのちなみのちなみに、ケーシーズという名前が似ていますがフォーシーズとまったく関係ない消費者支援機構と猛烈に揉めているらしいです。

このケーシーズはかなりのアンチ保証会社のようで、今まで日本セーフティー、Casa、JIDなど数多くの家賃保証会社に申し入れという名の申し入れを行い、相手にしていられないので申し入れを受け入れられていますが、両者まったく引く気がないらしく2016年の話を、本日の時点でもまだ争っています。

この争いについては、私も過去に少し触れていますので気になる方はどうぞ。

喧嘩するほど仲がよいとは言いますが、これは完全に仲が悪い例ですね。

戦略的に独自路線なのか、隙間を探して独自路線なのか


ご意見は info@hoshokaisha.jp まで

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