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家賃保証会社に関してネットには嘘や誤解が多すぎる。だから自分が答える!

家賃保証初回委託料という不思議な言葉、マイナビはいい加減にして欲しい

マイナビが、また、不思議なことを書いています。

また、というのは昨年の10月にはマイナビ賃貸でも残念。一方、プレジデントはすばらしかった!、12月には家賃のクレジットカード払いのメリット・デメリットでも書いていますが、マイナビの記事は相変わらず不思議です。

昨日の記事に賃貸の初期費用にある「家賃保証初回委託料」って何?というものがあります。

業界人ならこの時点で不思議だなと思うかもしれません。

「家賃保証初回委託料」とはあまり使いません。ただし、初回委託料や保証委託料、初回保証委託料であれば聞いたことがあります。たぶん、このことを言っているのだと思いますが、相変わらず外部ライターに書かせてアップ前に社内チェックをしていないのだと思います。
※とある超大手不動産仲介サイトでは使っています。

ですが、少数派だろうが、書き間違いだろうが意味は通じますので大した問題ではありません。

話は続きます。
家賃保証の仕組みには2種類ありますが、ひと言でいうなら、部屋を借りている人が家賃を払えなかったとき、家賃債務保証会社がいったんその分を立て替え、大家さんに支払います。ただ、払わなかった家賃分の支払いが免除されるわけではなく、後日、家賃債務保証会社から請求されるので、借り手は家賃債務保証会社に支払います。

いわば、連帯保証人を用意する代わりに、保証料を払うという仕組みです。家賃債務保証という「サービス」を購入することになるので、利用しなかったからといって退去時にお金が戻ってくることは、残念ながらありません。

上記文章を読んで、私は思ったことは2つです。
  • 家賃保証の仕組み2種類とは何か
  • 家賃債務保証を利用しなかった、とは何か


家賃保証の仕組み

マイナビの記事には一切説明がありませんので、読者が混乱するだけだと思います。何も書いていないので想像の域を出ませんが、おそらく家賃保証の仕組み2種類というのは代位弁済の方法のことです。

1つ目は、入居者が月末の家賃を支払い忘れた(振り込み忘れや引き落としできなかった)場合、管理会社が入金チェックをして家賃が入っていなかったことを確認してから家賃保証会社に家賃延滞報告をします。家賃保証会社では、この家賃延滞報告が届いてから家賃を立て替えます。

2つ目は、家賃保証会社側による口座振替です。これは保証会社によってサービス名が違い、収納代行とか集金代行とか決裁代行とか言ったりしますが、どれもやっていることは同じです。この場合には家賃保証会社側で口座振替会社を用意して入居者の口座から引き落としを行います。そして、毎月家賃保証会社から契約者全員分の家賃を管理会社に振り込みます。だから管理会社側には家賃遅れがありません。当然、家賃延滞報告の必要もありません。

この2種類のことを言っているのだと思います。

家賃債務保証を利用しなかった

これについては意味不明です。利用しなかったとしてもお金が戻ってくることはないと書いていますが、契約している時点で利用しています。家賃保証会社の利用用途はさまざまですが、1例でいうと、連帯保証人を用意する代わりに家賃保証会社を利用しているので、契約した時点で利用しないなんていうことはありません。

たぶん、書いているのは家賃保証会社と契約しているのですが、「立替をしてもらわなくてもお金は返ってこない」ということだと思います。家賃が遅れない人からすると一見無駄なお金ですが、管理会社側は常にモンスター入居者のリスクを警戒しないといけませんので、無難に審査を通すためには無駄ではない費用です。

そういうわけで家賃保証会社と契約している時点で利用していないはありえないのですが、こういうことを書く根底には家賃保証会社の業務が家賃を立て替えることだと誤解されているからだと思います。保証会社の仕事は「保証すること」ですのでお忘れなく!

家賃保証会社と契約する意味については過去に3回に分けて書いていますのでそちらをどうぞ
保証会社と契約する意味はあるのか? part1

保証会社と契約する意味はあるのか? part2

保証会社と契約する意味はあるのか? part3


家賃保証会社も楽じゃない


毎回書きますが、マイナビは大手メディアとして、読者に理解しやすい、読者に誤解されない、正しい情報を発信して欲しいです。

ご意見は info@hoshokaisha.jp まで

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