元・家賃保証会社社員が本気で何でも答えたら

家賃保証会社に関してネットには嘘や誤解が多すぎる。だから自分が答える!

【質問】集金代行関連の質問を多数いただきましたのでまとめて回答いたします

いただきました質問は下記の7つです。まとめて回答いたします。

Q1.家賃保証会社の集金代行とはなんですか?

Q2.集金代行の場合、銀行に聞けば振替不備理由を教えてくれますか?保証会社では振替不備理由はわかりますか?

Q3.保証会社の立て替え手数料の法的根拠はなんですか?

Q4.保証会社はなぜ家賃ではなく先に保証料に充当するのですか?

Q5.解約届けを保証会社に提出しないと集金代行の振替が止まらないと言われた。なぜそのような書類がいるのですか?

Q6.年間保証料を払わなくてよい場合は何がありますか?

Q7.口座振替書類は原則的に契約者の物件か住民票地のみなのでしょうか?理由は?

Q1.家賃保証会社の集金代行とはなんですか?


A.一般的に家賃は管理会社(または家主)に支払います。支払い方法はさまざまですが、現金手渡し、振込み、口座引き落とし、クレジットカード払いのいずれかだと思います。家賃保証会社と契約していて、家賃が遅れた場合には管理会社から保証会社に家賃滞納報告が届きます。その時点で保証会社は家賃が遅れたことを知るので管理会社に立て替えを行います。

しかし、この方法では管理会社が毎月月初に家賃の入金があったかの確認と保証会社への報告をしないといけません。管理会社に手間が掛かるわけです。

そこで登場したのが集金代行(収納代行ともいいます)。

集金代行では家賃保証会社が入居者の口座から家賃分を引き落とします。引き落とせなかったら保証会社で家賃が遅れたということがわかりますので、すぐに回収行動に移れます。管理会社の延滞報告を待っていると遅くなる場合があるのですが、これなら家賃延滞があったらすぐに動くことができるので、高い回収率を維持するためには非常に重要です。

そして、保証会社から管理会社に集金代行を契約している全員分の家賃を送金します。

管理会社にしてみれば、毎月何もしなくても全員分の家賃が入ってくるので、入金があったかどうかの確認と延滞報告の両方をしなくてすみます。

そういう便利なサービスを収納代行(集金代行)といいます。

Q2.集金代行の場合、銀行に聞けば振替不備理由を教えてくれますか?保証会社では振替不備理由はわかりますか?


A.たぶん銀行に聞いても教えてくれないと思います。保証会社では書類不備か残高不足かまではわかります。ただし、回収部隊がそこまで知っているかは保証会社の体制によります。

集金代行の場合の振替不備理由は99%、3つしかありません。

1.印鑑相違
2.書類不備(記載内容の間違い)
3.残高不足

特に1番目の印鑑相違が多いです。昔は通帳に印影があったから間違えにくかったんですが、今だとどの銀行口座にどの印鑑なのか覚えていないのはよくあることです。銀行では印鑑が違うと書類を受け付けてくれないので非常によく起こります。

あまりないのが2番目の口座振替書類への記入間違いです。不動産屋で契約するときに書いてもらう内容ですので、間違いがあれば不動産屋が気づくことが多いです。

3番目の残高不足はただの家賃延滞です。家賃分は入れておいたけれど、家賃以外の引き落としが先にあった場合には家賃が引き落とせなくなり残高不足、となることがありますのでご注意ください。稀に家賃分ちょうどを入れている方がいますが、振替手数料が少し掛かりますので、ぴったりでは残高不足になります。

もし口座振替ができなかったとなったときには、まず口座の残高を確認し、家賃分以上が残っていた場合には印鑑相違を疑ってください。

Q3.保証会社の立て替え手数料の法的根拠はなんですか?


A.法的根拠はありません。そのため、保証契約書に記載があります。

法的根拠と聞かれたので「法的根拠はありません」と答えましたが違法という意味ではないです。「こういうサービスに対していくら掛かります」という契約を同意しているのが契約書です。社会通念上許されるものでない限り契約書は有効になるのが一般的です。

だから、「家賃を立て替えたら1回につき手数料10万円」という契約内容は裁判で争えば無効だと思いますが、「家賃を立て替えたときに発生した実費」として手数料を取るのは合法の可能性が高いです。

最終的には裁判をしないとわからないことです。しかし、契約書に記載がある内容は基本的には合法です。

よくあるのですが、「契約時に契約書の小さい文字なんか読んでない」という言い訳は通じません。そのための契約書なのでご注意ください。

Q4.保証会社はなぜ家賃ではなく先に保証料に充当するのですか?


A.たぶん保証会社によって違います。

ですが、保証料は単純な売上です。今日集金しても、明日集金しても金額は変わりせん(普通は)。ですが家賃の場合には遅延損害金が取れます。だから今日よりも明日の方が高いです。

微々たるものですが、少しでも多く取ったほうが保証会社の売上に貢献します。だから保証料と家賃の両方が遅れている場合には保証料に先に充当することが多いです。

しかし、遅延損害金を取っているから儲けがあると思わないでください。家賃の回収行動に掛かる人件費は物凄いです。遅延損害金を取ったくらいではぜんぜん足りません。

Q5.解約届けを保証会社に提出しないと集金代行の振替が止まらないと言われた。なぜそのような書類がいるのですか?


A.単純に解約届けがないと集金代行を止められないからです。

形式上、集金代行の振替は入居者からお願いされてやっていることです。そのため、保証会社の一存で振替を止めることはできません。では電話したら良いかというとそういうわけにもいきません。基本的にはすべて契約なので、入居の時には申込書、退去の時には解約届けが必要です。

この解約届けを不動産屋にだけ出して、保証会社に出さないと引越しはしていて部屋は使っていないのに家賃の引き落としが続くということがおきます。当然、使っていない部屋のお金なので戻ってきますが、時間が掛かりますし手数料は引かれて戻ってきます。

管理会社から保証会社に連絡が来れば、保証会社から入居者に確認することはありますが、入居者から保証会社への申し込みで始まった口座振替なので入居者から保証会社に解約届けを出すのが正しい流れです。

Q6.年間保証料を払わなくてよい場合は何がありますか?


A.契約して1年以内に引っ越す。

保証会社の契約期間は1年が普通です。そのため、契約して1年以内に賃貸借契約が満了すれば保証契約を継続する必要がないので自動的に切れます。

ただし、賃貸借契約の満了というところが重要です。賃貸借契約は解約の1ヶ月前に賃貸人に届け出るのが一般的です。

だから今日(4月8日)に不動産屋に解約の申請をしたら1ヵ月後の5月7日までが契約日です。

保証契約の契約期間は例外を除いては賃貸借契約と同じ期間ですので、5月7日よりも後が契約日であれば保証契約を更新しなくてすみます。逆に契約日が5月7日であれば1日だけですが契約が継続していますので年間保証料を払う必要があります。

これは契約上の話なので、スタンスは保証会社によって違います。

Q7.口座振替書類は原則的に契約者の物件か住民票地のみなのでしょうか?理由は?


A.口座振替書類の住所欄に記載する住所という意味でしょうか?質問の意図がわからないのですが、この手の書類に書くのは現住所(引っ越す前の住所)か引越し先の住所かのどちらかが一般的です。

例外は住居を複数持っている方の場合くらいだと思います。

質問を捉え違えていたら改めてご連絡ください。

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