居住用物件以外というとオフィス、店舗、倉庫などがあります。個人事業主がオフィスや店舗を借りることもありますが、法人が借りるということもよくあることです。
最近ではオフィスや店舗の保証も増えてきましたが、それでも制限が多く、本格的に事業用物件を保証しているという家賃保証会社は少数派です。
そんな法人ですが、受け付けているところはどのような審査をしているのでしょうか。
個人にしても法人にしても家賃保証会社の審査はすべて非公開です。そのため、調べても情報は出てきません。自社の審査内容であればよくよく存じておりますが、それを書くと身ばれする可能性がありますのでできません。
ですが、基本的には家賃が継続して払えるかどうかがすべてです。しかし、保証会社で高額案件を受けなかったり、保証案件に家賃の上限金額を設けたりするのは家賃の回収ができずに退去交渉をするようになったときの面倒さが一般住居のときとは比較にならないくらい難しいので、仮に裁判になって退去させるということになっても被害額が少なくてすむように、保証会社は保証会社なりにリスクヘッジしているのです。
裁判で家主が勝てばあとは退去させられるかと言うとそうでもありません。例え勝訴をしても相手は家賃が払えなかった法人です。そうそう簡単に移転できる場所も見つかりませんし、お金もありません。そこで強制執行になるわけですがこの費用は保証会社か家主の負担です。100万円くらいはまだまだ安いほうです。びっくりするくらいの費用が掛かるので保証料をもらっていても1回の訴訟をするだけで利益が一気になくなります。
お金がなくとも法人なので差し押さえるものはいっぱいあるだろうと思うかもしれませんが、家賃が払えなかった法人です。換金性の高いものは普通残っていません。
仮に倒産するとますます厄介です。会社の負債は会社のものですから破産したらそれでおしまいです。一切の回収先がなくなります。そこで代表者を保証契約の保証人にしておくわけです。個人の契約の場合には今後、連帯保証人を取るということはなくなるか縮小するはずですが、法人の場合には代表者を連帯保証人として取るというのは残り続けると思います。
ですが、代表者がお金を持っているかと言うと大間違いです。社長なんだから給料は良いはずとか、お金持ちのイメージがあるかもしれませんが、家賃保証会社の現場レベルでは、社長はお金を持っていない方が普通です。だって、家賃が払えない法人の代表ですから。
そういうわけで代表者を連帯保証人に取っても回収には時間も手間も掛かります。
という裏事情があるので家賃保証会社は事業用物件を積極的には受けないし、受ける場合でも審査の段階で書類をいろいろもらって吟味します。本当に将来的にも家賃を払い続けられるのか。
でも、法人の業績は上下するものですから数年後に会社が残っている保証はどこにもないんですけどね。
そして、家賃保証会社の利用率は8割近くあるとは言ってもほとんどは居住用のことだと思います。残り2割の市場を取ったら次のフロンティアは事業用です。
ということもあって、ジェイリースは数年前に事業用に参入してきたのだと思います。
ちなみに、現段階で積極的に事業用案件を受けていている家賃保証会社もあります。
SFビルサポート、アース賃貸保証、フォーシーズ、AAAホールディングス、ニッポンインシュアあたりがよく聞く名前ですね。

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