タイトルで嘘をついています。無関係ではありません。
しかし、私が無関係と書いているのには理由がありますので解説いたします。
家賃が遅れると信用情報に傷がつくのか?という質問は意外と多いです。信用情報に傷がつくというのは、一般的にはブラックリストに載ることを言いますが、実はブラックリストというリストは存在しません。
最初にブラックリストとは何かからご説明します。
ブラックリストとは何か?
ブラックリストに載ると住宅ローンが組めない、自動車ローンが組めない、借金ができない、クレジットカードを作れないなど、生活に不便なことがでてきます。だからブラックリストに載るのは嫌だと思うでしょうし、普通いやですが、普通に生活していればブラックにはなりません。
そもそも、ブラックリストというリストは存在しません(逆にホワイトリストというのは、一部の業界では存在します)。
ブラックリストに載るというのを、正式な言葉(?)では「信用情報機関に異動情報が載る」または「事故情報が載る」と言います。
どういうことかというと、ローンや借金をすると、全員信用情報機関に個人情報や返済履歴が載ります。
私にもローンがありますので当然、信用情報機関には載っているはずです。これは普通です。
そして、信用情報機関では毎月の支払いに記録をとっています。イメージですが、下記のようなものです。
2018年11月 | $ |
---|---|
2018年12月 | $ |
2019年1月 | $ |
2019年2月 | $ |
2019年3月 | $ |
2019年4月 | $ |
$ というのは請求通りの支払いがあったという意味です。
普通の人は支払いは遅れませんのでこの $ が続きます。ですが、時には支払い忘れもあるでしょうし、そもそも返済がいい加減な人は返済が遅れがちです。支払いがいい加減な人の履歴は下記のようになります。
2018年11月 | $ |
---|---|
2018年12月 | P |
2019年1月 | P |
2019年2月 | A |
2019年3月 | A |
2019年4月 | A |
P は請求の一部支払いがあったという意味、A は支払いがなかったことを意味します。上記例では2018年11月には返済したもの、12月には一部しか支払わず、1月も同様に一部しか支払わず、2月、3月、4月と続けて支払いをしませんでした。
なんて悪い奴だ!ブラック!
というのがブラックリストに載る(信用情報に異動情報が載る)ということです。
住宅ローン、自動車ローン、借金、クレジットカードの作成などでは審査をするときに信用情報機関に情報提供を求めます。最初に出した例であればずっと支払いを続けているので、大丈夫だろうと判断されて審査が通る可能性が高いですが、2つ目の例では支払いが遅れた挙句、支払いをしていません。こういう人にローンを組ませても危ないし、カードを作っても面倒なだけと判断されて審査が通りません。
これが、ブラックリストに載っているから審査に通らない、の実態です。
ではブラックリストに載る基準は?
ではどうなったらブラックリストに載るか、ですが明確な基準はありません。信用情報機関は記録をとっていて提携期間に情報が欲しいといわれたときに支払い履歴を出しているだけです。決して、この人は危ない人です、という情報を出しているわけではありません。
信用情報機関から支払い履歴をもらった会社がどう判断するかは完全にその会社の基準です。そのため、2つ目の例の人は普通に考えれば危ない人ですが、可能性だけいえば審査に通る可能性はあります。
しかし、いわゆるブラックリストに載る基準としては次のものが挙げられます。
・3ヶ月以上延滞が続く
・債務整理をした
・契約者ではなく保証会社が返済した
ここで保証会社が出てきました。これが誤解のもとです。
ですが、順番に説明していきます。
3ヶ月以上延滞が続くとブラックだといわれています。ここを見ると普通は2つ目の例はブラックです。返済できなかったという A が3回続いているからです。
債務整理には主に4つあります。任意整理、自己破産、特定調停、個人再生です。とはいえ、ほとんどの場合で任意整理と自己破産のことをいいます。
任意整理とは、借金してどうにもならない人が金融会社に対して、「このままだと借金を返せないから利息を無しにして」というお願いをする手続きです。当然、本人から言っても無視されるので弁護士か司法書士を通して、任意整理に同意しないなら自己破産しちゃうぞ!と体のいい脅しを掛けます。これによって借金返済が楽になるわけですが、そんな人にはもうお金を貸せません、という報復(!?)としてブラックリストになります。
自己破産も同様にです。お金を借りたけど返せないからごめんね、といって支払いをやめます。金融会社は大変迷惑です。ということで報復(!?)としてブラックリストに載ります。
報復というのは言い過ぎました。しかし、金融会社から債務整理されたことを信用情報機関に報告があるので、普通は他の金融機関もお金を貸しません。これが債務整理によるブラックです。
最後の「保証会社による返済」は意味合いが少し違い、家賃保証会社のことを意味する「保証会社」ではありません。
例えばですが、銀行カードローンを借りる際に保証会社を付けるということがあります。
三菱UFJ銀行のカードローン(バンクイック)を受ける際にはアコム(アコムは三菱UFJフィナンシャル・グループの子会社です)が保証会社になります。
銀行が貸すのですが、保証会社としてアコムが入るので、契約者が返済できない場合にはアコムが代わりに返済します。そしてアコムから契約者に請求がいきます。
この保証会社として入っていたアコムが払ったことでブラックリストに載ります。
という意味の保証会社です。家賃保証会社とは関係がありません。
というわけで、家賃保証会社への支払いが遅れてもブラックリストには載りません。
話はここで終わらない
しかし、話はここで終わらないのが面倒なところです。家賃保証会社はへの支払いが遅れてもブラックリストには載りませんが、クレジットカード会社などの信販会社が家賃保証事業を行っていることがあるので面倒です。
一例ですが、オリコ、エポス、セゾン、ジャックスなどはクレジットカード会社ですが家賃保証事業を行っています。クレジットカード会社は信用情報機関を利用している会社ですので、クレジットカード会社が家賃保証会社になっている場合には家賃の遅れは信用情報機関に A として載ります。
すなわち、家賃遅れが続けばブラックリストに載る可能性はあります。
私が家賃保証会社はブラックリストとは関係がないと書きつつも、嘘だと書いたのはこのことです。
ちなみに信用情報機関というのは具体的には下記の3つです。
・株式会社日本信用情報機構(JICC)
・株式会社シー・アイ・シー(CIC)
・全国銀行協会(全国銀行個人信用情報センター)
この信用情報機関を利用している会社が家賃保証している場合には家賃延滞がブラックリストに影響する可能性はあります。
ですが、利用しているかどうかはわからないと思います。普通の家賃保証会社は利用していない、クレジットカード会社は利用しているとご理解ください。
普通じゃない家賃保証会社は利用しているかもしれませんが、私にはそこまではわかりません。
また、ブラックリストに載ったとしても数年(5年~7年といわれています)で解除されます。さらに付け加えるとブラックリストでなくともローンやカード審査に落ちることがあります。これは過去の支払い状況以外が影響している可能性が高いですが、A(未払い)がなくともP(一部のみ支払い)が1回でもあれば審査に落ちるという厳しいところもあるかもしれません。
なんにせよ、家賃は遅れてはいけません。
なお、家賃が遅れても支払いさえすれば、いわゆるペナルティーはありません。家賃が遅れていいとはいいませんが、家賃保証会社にとって家賃の遅れは普通のことです。支払いさえしてくれれば、その後もちゃんとしたお客様です。

ご意見は info@hoshokaisha.jp またはコメントまで
- 関連記事
-
-
【合法と違法の狭間】フォーシーズの契約条項、一部違法!?果たして追い出し条項なのか!? 2019/06/21
-
家賃のクレジットカード払いのメリット・デメリット 2018/12/07
-
トラスト&グロース、ラクーンフィナンシャルに社名変更 2018/11/03
-