元・家賃保証会社社員が本気で何でも答えたら

家賃保証会社に関してネットには嘘や誤解が多すぎる。だから自分が答える!

ハウスコムの専門的すぎる見地は理解不能

コロナが流行って家賃が苦しい、家賃が払えないという人が多くなってきました。もともとニュースでも家賃が苦しいというのは話題に挙げられていましたが、最近では目に見えて払えない人が多いです。

さて、コロナが流行っているかどうかとは全くの別問題で、お金がないので家賃が払えないのですがどうしたらいいの?という疑問はいつでもあります。

家賃が払えないなら払えるようにすればよい、払えないなら出ていけばよいという意見もあり、正しくはありますが回答が短絡的です。

では、家賃が払えない時はどうすえばよいでしょう?

私はハウスコムのサイトで驚愕の回答を見つけてしまいました。

ハウスコムは東証一部に上場している不動産賃貸仲介業の大手です。発言力は大きく、発言内容も信頼できると思っていたのですが・・・

家賃が払えなければどうすればよいのか?



私が驚いたのはお金が無くなってしまい、家賃が払えません。どうしたらいいんですか?という記事です。

ハウスコムの理論は面白いです。
  1. 家賃滞納の前例は避ける
  2. 人にお金を借りる
  3. 敷金で家賃を補填する。敷金はそのためにある
  4. 敷金がないなら大家や不動産屋に相談する
  5. ローンを使う

私は読んで思いました。バカ丸出し。

多分、メディア展開(?)するために外部のライターに1記事いくらで作らせたのでしょうが、それにしても酷い内容です。こんな記事を公開するようでは東証一部上場の肩書が泣きます。お里が知れます。

家賃が支払えないなら支払うように動くのが筋です。では具体的にどのように動くのかがありません。そして、敷金は家賃滞納に備えるものではありませんので、家賃支払いが遅れそうだからと敷金から引こうとするのは論外です。ローンを使うのは問題の先送りです。

質問に対してロクな回答がない上に的外れで、書いた人が不動産に詳しくないことがよくわかります。

当社は、人間生活に必要な三大要素(衣食住)のひとつである「住まい」の分野で、専門的見地からのアドバイスを行い、安心で快適に生活できる空間を、お客様のニーズに合わせて提供する不動産賃貸仲介業です。


ハウスコムの公式サイトには上記のように記載がありますが、これが専門的見地であれば専門的過ぎて私には理解ができません。

では家賃が払えない時は本当はどうすればよいのか?

人から借りる



家賃が支払えない場合にお金を用立ててくれる人に相談することは、実はそれほど悪い方法ではありません。親や兄弟に借りることができれば金利がつかないことが多く、返済猶予期間が長い場合が多いからです。

しかし、お金の関係は人間関係に強く影響します。借りたお金が返せない様では間違いなく人間関係にヒビが入りますので2回も3回も使える手段ではありません。

敷金は家賃に充当できない



敷金は万が一のための保証金です。契約時に家主が預かりますが退去時に返す前提のお金です。

敷金を使うのは退去時に原状回復費用が発生した際に実費分を差し引く、退去時に家賃滞納があった場合に差し引くなど、住んでいる間に使われるのではなく退去時に使うものです。

もし家主側で敷金から引いておこうか?と提案があった場合には家主の温情です。家主側にはメリットはなく、退去時に他の支払いが補填できない可能性があるというリスクのみが発生します。

さらに家賃保証会社が使われている場合には保証契約の解除事由に該当するので家主側にはデメリットとリスクしかない行為です。

住居確保給付金を使う



家賃が払えない時に住居確保給付金の制度を利用するのは正論です。その通りですが、知名度が低いためあまり使われていない(はず)です。

失業した人向けの制度でハローワークに求職申し込みが必要でしたが、今はコロナの影響もあり、求職申し込みをしなくても受けられるようです。

家賃の3ヶ月間~9か月間は自治体から支援を受けられるので利用できる場合には大変おすすめです。

生活保護を利用する



生活保護に良いイメージはありませんが、社会的弱者は遠慮することなく利用してよい制度です。そのために税金を支払っています。

生活保護を受けることが悪いわけではなく、生活保護を隠れ蓑に悪さをすることがダメなのです。

むしろ変なプライドが邪魔をして家賃滞納して家主に迷惑をかけるよりも素直に生活保護を受ける方が周囲への被害が少ないため良いです。

債務整理する



債務整理は借金を解決する手段です。当たり前ですが借金がない人は債務整理はできません。

しかし、経験上、家賃滞納をしている人は借金をしていることが多いです。債務整理をすれば毎月の返済額を減らすことができるので家賃や生活費に回すお金に余裕ができます。

債務整理と聞くと自己破産を思い浮かべる人もいますが、普通は任意整理という手段を取るのでデメリットはそこまで大きくありません。信用情報は傷つきますが生活レベルが安定する方がはるかに重要です。

債務整理するためのお金がないと思っている人もいますが、債務整理を依頼している間は借金返済をしなくてよいので返済しない分、弁護士への支払いができます。それでも無理なら法テラスを利用することで分割払いで対応してもらえます。

過払い金を取り戻す



本当かどうかは知りませんがコロナの影響で過払い金熱が再度ぶり返していると聞きます。過払い金は昔お金を借りた人が本当は払わなくてよい金利を支払っていたために発生するお金で、条件次第では2020年になった今からでも取り戻すことができます。

しかも戻ってくる金額が100万円、200万円などと高額なことも多いため、過払い金があるならすぐに調べないと損です。

過払い金請求はアディーレが有名ですが、他にもホームワンベリーベスト杉山事務所きわみ事務所など過払い金請求を得意とする弁護士・司法書士もたくさんあります。

本当に払えないなら出るしかない・・・


ご意見は info@hoshokaisha.jp まで

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