※Casaの決算短信は6月12日に公表予定です。
ジェイリースの2020年3月決算短信
ジェイリースの短信には次のようにあります。
与信審査の強化を図り、貸倒リスクが高い案件の契約を抑制するなど、将来的な貸倒コストや訴訟関連費用を抑制するため債権良質化に努めてまいりました。経費面では業務効率化等により経費削減等を進めてまいりました。
不動産仲介事業は、営業拠点を福岡に一本化し、利益率の向上に努めてまいりましたが、新型コロナウイルス感
染症対策としての入国規制措置等の影響により、海外顧客の契約件数が減少いたしました。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、一定期間の賃貸不動産業界の入居需要縮小、家賃等滞納の増加が想定されます。このような事業環境のもと、上期はコロナ禍の影響により申込数が減少、下期においてはコロナ禍の影響が縮小
し、回復に向かうものと想定しております。
無難な回答です。
コロナにより滞納が増えることを考えれば最初の審査を厳しくすることで家賃滞納率を下げ、回収に注力することで訴訟費用を下げることで利益を確保するというのは保証会社としては妥当です。
ジェイリースの場合にはあすみらいという不動産仲介の連結子会社に持っていますので、不動産仲介の契約数減少もジェイリースに影響します。ただし、影響は軽微なはずです。
そして、ジェイリースはコロナにより上期は家賃滞納の増加と申込数の減少を認めています。というよりも認めざるを得ないのでしょう。下期が回復するというのは予想ですが、ここでもコロナが続くので滞納増と申込減少が続くとは言えないでしょうね。
2019年3月期と2020年3月期を比較すると次のようにあらゆる面で上昇しています。
売上 60億8,200万円 → 67億4,400万円
営業利益 △1億100万円 → 1億5,500万円
経常利益 △1億4,600万円 → 1億500万円
純利益 △1億4,900万円 → 2,400万円
2020年4月の民法改正により保証業界は好調と書いていますが、それでも申込減少による影響は避けられそうもありません。
なお、ジェイリースの自己資本比率は次のように推移しています。
6.4%(2016年)→16.5%(2017年)→14.8%(2018年)→9.2%(2019年)→8.3%(2020年)
そして、長期借り入れは減っているもの、短期借り入れは26億円(2019年)から32億5,000万円に増えています。決算補足説明資料によると
コミットメントライン及び当座貸越契約による65億円の枠を確保(利用率約50%)とありますので、32億5,000万円の借り入れはこれのように思えます。
2021年3月期の予想では売上は73億円まで伸び、利益は8,000万円まで上がる予定ですので、下期の回復を見込んでのことでしょう。
【参考】
ジェイリースの決算短信
ジェイリースの決算補足説明資料
あんしん保証の2020年3月決算短信
あんしん保証の短信には次のようにあります。
貸倒引当金の増加が前期増加分を上回ったため貸倒引当金繰入額が151,254千円増加(前期比45.3%増)
政府による緊急事態宣言下の自粛効果による感染収束で、経済活動は少しずつ正常化に向かうものと見込まれます。
貸倒引当金が増えたとありますが、これは立替家賃のうち回収できなかったものが1億5,000万円ほどあったようです。そして、今後コロナは正常化に向かうとあります。
2019年3月と2020年3月の数値を見ると順調のように見えます。
売上 31億8,200万円 → 35億4,200万円
営業利益 2億7,400万円 → 3億8,300万円
経常利益 3億4,000万円 → 4億5,400万円
純利益 2億900万円 → 2億9,900万円
2021年3月は更に伸びる予想とのことです。
ただし、決算短信を見ても今後伸びる理由がイマイチ分からず、具体的な施策もわかりませんでした。上場企業の公開資料ですから根拠はあると思いますが、腑に落ちない点はあります。
大株主のアイフルの21年3月期は前期比12倍の見通しとなるという情報もありますので、これで強気なのかもしれません。
【参考】
あんしん保証の決算短信
あんしん保証の決算説明資料
イントラストの2020年3月決算短信
言っていることがよくわかりません(笑)
数値は並べていますが医療費保証が伸びているらしいです。イントラストは家賃保証、医療費保証、養育費保証がありますが、家賃保証はどの程度影響するんでしょうね。
あとWindowsアップデートに結構費用がかかったらしいです。この情報が重要なのかはわかりません。
【参考】
イントラストの決算短信
イントラストの決算説明資料
参考:LIFULLの決算説明資料
なお、LIFULLの決算説明資料には2月26日以降は外出自粛で不動産業者への問い合わせと来店が減少したこと、4月7日以降は不動産屋も営業自粛を始めることを予想しています。コロナに対するユーザー動向調査と事業者アンケートもありますので見ておいた方がよいです。

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