正解は、台風では回収できない、です。危ないから外には出ません。だから回収はできません。大雪は大雪で危ないですが、外に出て行動できるレベルです。台風は外に出てはいけないレベルです。台風があると田んぼを見てくる、船を見てくると言って外に出た方が被害に出ますが、家賃回収も同じです。家賃滞納者が家に居るからと回収に行くと被害に遭います。
そんな中、家賃が遅れているがどうすればよいか、クレジットカードなどの信用情報に傷がつかないかと気にされている質問が届きました。話しを詳しく聞くと、仕事が変わって給料日の関係で家賃が遅れそう。今月(7月末支払いの8月分)は支払っていて、来月9月分(8月末支払い)は支払いができるが貯金を切り崩すことになる。10月分(9月末支払い)は遅れそう、との事です。しっかりしていると言えばしっかりしている方です。普通、再来月の家賃のことまで気にしませんから。と、言うよりもそんなことを気にしないでお金を使って遅れてしまう方が多いので、この業界が役に立っているわけですが。最終的には、家賃の支払日を遅らせることができますか?という質問でした。
結論から申し上げますと、管理会社によるのでなんとも言えない。ただ、交渉の余地はある、と言ったところです。家主や管理会社に相談して、OKが出ればそれはそれで良いです。ただ、今は契約の7割は保証会社を使っています。契約に保証会社が絡んでくると免責の関係で、どこまで待てるのか、という問題が出てきます。
保証会社が入っていると、入居者の家賃が遅れても保証会社が立て替えてくれるから安心、なんて思っている方もいると思いますが、家賃が遅れた際には管理会社から保証会社に「この方、家賃が遅れました」という届出をする必要があります。この届出がないと家賃を立て替えません(収納代行とかクレジットカード払いとかはありますが、ここでは割愛)。この届出には期限が定められているので、管理会社からすると家賃が遅れている入居者の言い分だけを聞いて待つというのは相応のリスクを伴います。
仮に、入居者の言い分を100%聞いて、支払いを待ったとして、約束の日に入金がなく、保証会社の免責期間を過ぎていた場合には管理会社は家主に支払うお金を手出しにしないといけません。回収も自分たちでやらないといけません。そもそも家賃の支払期限は過ぎているので遅れた時点で保証会社に立て替え依頼をすれば余計な手間はなかったんです。良い人すぎると自分の首を絞めることにもなります。
では、なぜ保証会社は免責期間を設定するのか?これは早く立替をしたいからです。早く立て替えると早く回収に動けます。例外は多いですが、基本、家賃回収は初動が全てです。家賃が遅れるというのは結構重大です。これが入居者から連絡が来たならまだしも、保証会社から連絡をして支払期日を設けるような方、つまりお金に対してだらしのない方には詳しく話を聞いて支払い計画を立てないと、状況が悪化したり、立て直しが難しくなったり、夜逃げに発展したりします。保証会社も好きで連絡したり、家まで行っているんじゃないんです。入居者からの連絡がないから仕方なく連絡したり、家まで行っているんです。
そんな感じなので、家賃滞納の経験のある不動産屋なら保証会社にすぐに話を投げたいはず。だから交渉の余地があるとすれば
1.必ず自分から連絡する
2.具体的、現実的な支払い計画を出す
3.ちゃんと謝る
の3つくらいは守ってください。そうしないと不動産屋も話しを聞いてくれません。
1.必ず自分から連絡する
時々いるんですが、家賃が入ってなかったら連絡しろよ、とか平気で言う入居者がいます。本当にいます。これ、かなりNGです。入るはずの家賃が入っていないからどうしたの、と電話してこんなこと言う人の信用力は0です。ナッシングです。賃貸借契約で支払日が書いてあるわけで、その内容に納得したから署名しているわけで、契約を破った方から連絡して然るべきです。むしろ、遅れると分かった時にすぐに連絡すべきです。この連絡は早ければ早いほど信用できます。
2.具体的、現実的な支払い計画を出す
結構います。給料が入ったら今月分と来月分をまとめて払います、と言う方。本当に払えますか?家賃2か月分って結構高いですよ?これが払えるなら良いんです。でも不動産屋も馬鹿じゃないので、いくら入って、生活費がいくらなので、家賃がいくら払えます、くらいは言わないと信用できません。普通は1か月分に少し上乗せして支払うのは数ヶ月で追いつくとかが妥当な線です。不動産屋はそもそも待つ必要がないわけで、支払いを待って欲しいならこのくらいは言わないと駄目です。ちなみに、5万の家賃で毎月6万円支払い(1万円上乗せ)で5ヶ月で追いつく。この計画をきちんと守れて5ヶ月で本当に追いつく人は稀です。それができないので家賃は遅れ続けるという方が圧倒的大多数です。それくらい追いつくのは難しいです。
3.ちゃんと謝る
当たり前なのですが、契約を破っていますので謝罪の言葉があるのが普通です。こんな事、言わなくても・・・分からなかったか・・・そうか、うん、そうだよね。そこまで言わないと分からないよね。ごめんね、伝え方が悪かったよ。あのね、人として当たり前だからね。
次、信用情報に傷が付くか、です。よく勘違いされますがクレジットカードで支払いが遅れるとブラックリストに載るとか言いますけど、嘘ですから。カードの支払いができないと、この人は過去にカードで支払いを遅れたことがあるよ、という記録が残るだけです。これを俗にブラックリストに載ると言っているようですが、クレジットカードの話しはクレジットカード、家賃支払いは家賃支払いなので関係ありません。関係があるのはクレジットカードを使って家賃を払っている場合とか、オリコとかエポスとかのような信販系(要はクレジットカード会社)が保証会社になっている場合です。いわゆる保証会社は保証の際にクレジットカードの信用情報まで見に行きません。一部の保証会社は見ているようですが、これは信販系だったり、支払い方がカードだったりと特殊なケースだと思ってください。
そして、遅れてクレジットカードの信用情報に傷が付くのが嫌なら、借りてでもお金作ってこいって話しです。別に借りろと言っているわけではないです。そんなに気になるなら優先度を上げろと言っています。自分の信用情報がどうなっているかは自分で問い合わせれば調べられます。ただ、追えるのは5年だったか7年だったかまでだったはず(この辺は記憶が曖昧です)。だから傷がついてもその内なくなります。そんなに気にするな、という事です。

信用情報が傷つくことよりも、家賃が遅れたという事実を気にしてください。
ご意見は info@hoshokaisha.jp まで
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