債権管理業務の体制化、与信システムによる与信制度向上等の各種取り組みによるとありますが、債権管理業務の体制化って何をしたんでしょうね。完全回収マニュアルみたいなのを作ったんだろうか。与信制度向上とありますが、ジェイリースは元々間口の広い保証会社なはずです。審査が緩いといえば緩い。厳しく審査してしまうと営業に響くので、審査を厳しくして間口を狭くしたのではなく、最初から駄目だと分かっている人の審査をあぶり出しをシステム化したのではないかと。
95.7%の回収率は確かに高いですが、それはつまり約4%は回収できていないという事です。ジェイリースの立て替えは毎月18億円です。18億円の4%は7200万円です。毎月7200万円は回収できていないと考えるとそれもすごい。年間8億6400万円が回収できていない計算です。
ただ、これは計算上の話しで、多分実際の計算では前月以前の未回収分を当月の回収金額に含めていると考えられます。当たり前ですが、回収はやればやるほど成果が出ます。仮に月間100件遅れたとして、回収部隊が動いて最初の月で90件が解決したとします(単純計算で回収率90%)。残り10件は翌月に持ち越しますが、翌月も100件遅れます。そうすると110件になるように思えますが、持ち越しの10件の中に2ヶ月目の方がいますので、実際には110件ではなく、105件とか103件というのが現実です。だから短期的に見れば回収を怠らなければ回収精度はそんなに落ちません。ただ、累積で溜まった件数が物凄いのでどこかで見切りをつけます(でないとやっていけません)。持ち越した105件もどこかで全部回収しようと動きますし、この105件以前の未回収分がどこかのタイミングで回収できるので時に思わぬ高い数字が出ます。
これを全て均すと96%という数字だと考えられます。だとしても高い数字ですね。どうやって回収しているんだろう?
なお、代位弁済発生率は7%とありますから、むしろ滞納は低く抑えられています。いつだったかは保証会社は滞納リスクの高い入居者に対して使うという時期がありましたが、ここ最近は全案件に使ってくれるようになりつつありますので滞納率が低く抑えられているのでしょう。
もう1つ、ジェイリースの概況に面白いことが書いてありました。
退職給付制度を終了し、確定拠出年金制度を導入とあります。今まで退職金があるのは日本セーフティーだけだと思っていましたが、ジェイリースにもあったんですね。ただ、確定拠出年金制度に変わるとなると従業員の満足度はどうなるのか、と思ってしまいます。

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