家賃保証会社社員が本気で何でも答えたら

家賃保証会社に関してネットには嘘や誤解が多すぎる。だから自分が答える!

保証会社クライシスとは何なのか?

新型コロナが流行りすぎて世界も日本も不況です。このまま恐慌に突入すると1929年以来の第2次世界恐慌になりそうで本当に怖いです。

様々な業界で倒産が続出していますが、当然家賃債務保証業界にも波は来ています。そんな中で保証会社クライシスという言葉を見かけました。

保証会社クライシス、保証会社危機ということでしょうか。過去に大手保証会社リプラスが倒産してリプラスショックなんていう言葉がありましたが、それを彷彿とさせる言葉です。

保証会社のリスクとは何か?


保証会社のビジネスモデルはストックビジネスです。保証する案件が多ければ多いほど更新する際の手数料が大きく取れるので保証案件を増やすとビジネスとしては安定します。

しかし、保証案件を増やすということはそれだけ滞納リスクも増えるということです。入居者の一定数が滞納することは想定内ですが、不況が来ると滞納件数は一気に増えます。倒産やリストラが増えるので当然です。

保証会社の損益分岐点を計算する時には、この不況の際の滞納リスクも加味した上で経営判断をしているはずです。

もしここで恐慌が起こったらどうなるのか?普通に考えれば滞納が増えるので立て替えが一気に増えます。お金が無くて立て替えできなければキャッシュアウトで倒産です。立て替えたお金が全然回収できなくても次の立て替え資金がなければ倒産です。

こう考えると保証会社は売上を上げれば上げるほどリスクが大きくなるともいえます。

保証会社は不況に強い?


とある保証会社の営業担当は保証会社は営業に強いと触れ回っているようです。

これは本当ですが、嘘です。(どっちやねん)

家賃滞納が増えると家主側は今後のリスクを減らすために保証会社を使いたがります。そして、引っ越し需要そのものはなくなりませんので保証会社の需要は不況の時に伸びる可能性があります。

問題になるのはキャッシュです。

保証会社の需要が高まり契約件数が増えたとします。でも、不況の時にはより安い家賃を探しますので案件は増えますが客単価は落ちます。景気が良い時には多少無理をしても良い部屋に住む(そして延滞する)人も多くいましたが、不況の時に無理はしません。

入るお金と出るお金を比較して入るお金の方が多ければ問題ありません。客単価が下がるとすると契約数を増やすしかありません。契約数を増やすにはどうするか?保証料を下げて安くするか、審査内容を緩くして案件を積極的に取りに行くかです。

保証料を下げると案件を増やしても売り上げは伸びませんので、案件確保に動くのでしょうか?でも案件確保に動くと優良ではない顧客まで取りに行くことになります。

もともと審査が緩かった会社が更に緩くするのと、審査が厳しかった会社が審査を緩くするのでは程度が違います。回収担当者が優秀ならばよいですが、ここで回収率は非常に重要です。

結局、保証会社が不況に強いのではなく、回収率を高く維持できる保証会社はいつだって強いのです。

不安視されている保証会社


冒頭で紹介した保証会社クライシスではとある保証会社の倒産が不安視されているようです。

具体的にどこの保証会社とは書いていません。仲介業者から最後の砦と言われているくらい審査率が高い会社のようです。私にはどこだかわかりませんが、仮にF社とします

F社は審査が特に緩いことで有名なので、倒産が不安視されているようです。

実際のところはわかりません。勝手に広まった噂ですのでそのうちなくなると思います。しかし、特定の数社の倒産は常に言われ続けています。

F社に限らずZ社なんかも危ないと言われていますが、やはり根拠はありません。審査が緩いと不良債権が多く、回収できなかった時に経営が傾く可能性があるというのが理屈です。

しかし、忘れてはいけません。会社の経営が傾くかどうかは現金があるかどうかです。現金さえあればどれだけ赤字でも倒産しません。倒産するかどうかは会社の規模でも、売上高でも、自己資本比率でも、審査承認率でもありません。現金があるかどうかがすべてです。

保証会社の淘汰は進むのか?


現金があるかどうかというのは、会社の預金や資産がどれだけあるかというのもそうですが、銀行の融資枠がどの程度あるかです。こういう不況なので銀行も貸し渋るはずです。不渡りを出す可能性が高いなら絶対貸さないのが銀行です。

どこかの国のことわざに「溺れている犬は棒で叩け」というものがありますが、まさしくそれです。悲しいかな、決して溺れた犬は助かりません。

保証会社が淘汰されると結局困るのは家主です。こういう危機はみんなで乗り切りましょう。

こういう時に保証会社は潰れてほしくない


P.S.
こういう危機なので家賃は払わなくてもよいとかふざけたことを言っている人は保証会社を潰したいのでしょうか

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新型コロナで家賃保証会社はどうなるか?

世間では新型コロナが流行っています。日本全体ではついに1日の感染者数が300人を超えました。世界的に見ると少ないらしいですがただ事ではありません。

新型コロナで倒産、内定取り消し、リストラが蔓延しているようで、不況にもあまり影響されないといわれる保証会社にも影響が出そうな勢いです。

新型コロナで保証会社がどうなるのか、予想してみます。

新型コロナが流行るとどうなるか?



別に新型コロナに限った話ではないのですが、今回のような緊急事態が起きるとどうなるか。外出自粛になっていますし、言葉は接待などと濁していますがキャバクラ、クラブなどが感染源になっていると報道されている以上、飲み系のお店の売上は軒並み減少でしょう。会社もリモートワークを推奨するところが多くありますので、飲食や物販にも相当の影響がでているはずです。

単純にお店の売上が減少して、しかもコロナの縮小がいつになるのか分からない現状ではリストラも増えます。事実、3月31日付の日経新聞ではコロナ、雇用と生産に影響 有効求人倍率1.45倍に低下とあるように大幅に減っています。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57436670R30C20A3MM0000/より


日本俳優連合でも仕事が減ったために貯蓄を切り崩したり、借金をしたりする人が出ていると明らかにしているくらいです。飲食に限らず、予断を許さない状況です。

仕事は明らかに減っていますので、今までの超売り手市場が超買い手市場になるかもしれません。

当然、生活費に困りますので家賃も払えなくなるという人は出てきます。

コロナの影響で家賃立て替え増



結果的にはコロナが流行った影響で保証会社が立て替える家賃が大幅に増えることが想定されます。

ここまでは想定内です。コロナに限らず、リスクヘッジのために保証会社を使いますから。コロナとリーマンショックはよく比べられますが、私は少なくとも1点、大きく違うところがあると思います。

リーマンショックの際には下降気味とはいえ経済は回っていました。コロナでは経済活動が大幅に縮小または停止しているように思えます。

保証会社はビジネスモデルとしては保証件数が増えれば増えるほど恐慌が起きた時に保証金額が増えるという点でリスクが増える仕組みです。ただし、恐慌が起きれば家主は先行き不安から保証会社を利用を推進する傾向にありますので売上にはそこまで大きな影響はでない(はず)です。

しかし、コロナで外出禁止の所為でしょうが、賃貸業界そのものが縮小しています。つまり、賃貸借契約の母数が大きく減ったので保証契約も大きく減っています。1月~3月が賃貸業界の繁忙期ですが、日本のコロナと丸かぶりですので、保証会社の売上はかなり厳しいはずです。

売上が厳しいのに立て替えは大幅に増えるということですので、あとは保証会社にどこまで資力があるかです。

なぜか企業の信頼性や安定性に資本金や自己資本比率を見る人がいますが、まったく意味ないです。見るべきなのは現金をいくら持っているか、借り入れがどこまでできるかです。不況が来れば好景気もそのうち来ます。一番危ない時を耐えられれば、また伸びるので。

その意味でJIDのコミットライン30億円は非常に強力です。

好景気のうちに不況の準備をするのは当然ですが、ここまでの恐慌を読んでいたら井坂会長、梅田社長は流石すぎます。

立て替えが増えるだけでは終わらない保証会社


立て替え増は予想の範囲内です。では次に何が起きるのか?

家賃延滞が起きても一般にはすぐに回復はしません。原因次第ですが、失業で仕事がなくなった場合には仕事が見つかってから早くても2ヶ月程度はかかります。むしろ、2ヶ月で回復する人は非常に金銭感覚の優れた方です。普通は半年以上~、場合によては1年以上かかって追いついたり、そのまま追いつかないので夜逃げしたり、裁判されたりします。

その間、保証会社は督促を続けますが、取れないものは取れないので裁判をすることになります。

ここで問題です。裁判をする場合の費用はどうなるでしょうか?

1.大家が全部払う
2.大家が払って後から保証会社が補填する
3.保証会社が全部払う

プラン次第ですが、3つともあります。普通の住居でも裁判をして強制退去までするとなると100万円は普通です。100万では足りないくらいです。

この費用も保証会社持ちなのですが、裁判費用以外にも問題があります。

裁判直前の家賃立て替えはどうなるのか?


裁判でも判決が分かれているので一概には言えないのですが、保証業界的には裁判をする前に意図して立て替えを止めて3ヶ月の未納の事実を作ることがあります。

家賃滞納での明渡訴訟は3ヶ月(目安)がないと裁判できないからです。

では3ヶ月滞納を作ったら立て替えは続くのかというとそうではなく、裁判が終わった半年後くらいにまとめて支払いをします。
つまり、家主には9か月以上家賃が払われない期間ができる可能性があります。平時ならともかく、家主は耐えられるのでしょうか?そして裁判費用を家主持ちにする場合、家主は支払えるのでしょうか?

既に裁判をするので立て替えを止められた家主の不安があります。

脱線しますが、リンク先の記事の保証会社は1,000円のQUOカードを配布して新規顧客を取っていたようです。保証会社名は掛かれていませんが、1,000円のQUOカードを配る保証会社として日本セーフティーを思い浮かべました。

なお、裁判の前に家賃の立て替えを止める手法そのものは普通です。しかし、時期が時期なだけに家主からすると、お金がないから立て替えをしないだけではないか?後で立て替えするというが裁判が終わった時に会社は残っているのか?という不安がどうしても残るので問題です。

保証会社の勢力図は塗り替わるのか?


賃貸業界の繁忙期とコロナの時期被りによる売り上げ減、立て替えの急増の他に、裁判による立て替え停止や家主の不安により保証会社の変更が起きる可能性があります。

つまり、今までは好景気で家賃が遅れなかったのに家賃延滞がこれほど怖いのかと思い知った家主が保証の手厚い保証会社に切り替える可能性です。

今の時点で申し込みをしてくれる顧客は減っていますが、ある意味では現時点では家賃が支払える優良顧客(見込)です。今まで減った売り上げを確保するために他社から案件を取るというのは手法としてはありえます。

少ないパイをみんなで取り合うという意味では群雄割拠の始まりです。

保証会社の審査はどうなるか?


おそらく新規顧客を確保するために審査内容を大きく変えることはないと思います。審査基準を変えることそのものは普通ですが、変え方が極端なら、その保証会社との付き合いを考えた方がよいかもしれません。

審査をあまりにも緩くする場合には目の前の資金確保のための動きに見えますし、審査基準を厳しくしすぎると保証会社を使う意味がありません。

保証会社の取り立てはどうなるか?


保証会社の取り立てがどう変わるのかは予想がつきません。

取り立てを強化するのはありえますが、厳しくするのは論外です。今回の事で立て替え案件は増えますので普通に回収している保証会社のクレームも増えるかもしれませんが、クレームの増え方が極端だと危ない保証会社の可能性があります。

どことは言いませんが、数年前に超大手保証会社が営業部隊を回収に回していた時期がありました。営業の繁忙期が終わっている以上、支出を少なくすることは考えられます。

保証会社はどこがよいのか?


これは回答が難しすぎます。

自分にあった保証会社を探すしかありませんが、特定の保証会社に依存しすぎるのはよくないと思います。2社か3社でリスク分散するのがよいのではないかと思います。

なお、こういうことを書くと私にどこがよいのかとメールされる方がいますが、私は特定の保証会社に肩入れしません。この保証会社はどうなのか、ということであればお答えすることがあります。

保証会社の株価



最後に上場している保証会社4社の株価の推移(直近6ヶ月)です。恐ろしいほどわかりやすいです。

casaの株価2020年4月3日まで


ジェイリースの株価2020年4月3日まで


イントラストの株価2020年4月3日まで


あんしん保証の株価2020年4月3日まで


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2020年4月1日、民法改正で家賃保証会社はどうなるのか?

2020年4月1日は民法改正の日です。

世間では「マスクを2枚配る」というエイプリルフールに踊らされているようですが、賃貸業界では民法が改正されたのでテンヤワンヤな状態なはずです。こんな状態で新入社員を迎えて、目を輝かせた新人から「先輩、連帯保証人の極度額って何ですか?」とか聞かれて答えられなかったら先輩として恥ずかしい思いをします。

もしそう聞かれたら、私なら「そもそも連帯保証人と保証人の違いを分かった上で聞いてる?」と質問に対して質問を返す不誠実な方法で煙に巻きます。

では、賃貸業界では民法改正で何が変わったのか、民法改正で保証会社にはどのような影響があるのか、おさらいです。

民法改正で何が変わったのか


2020年4月1日の民法改正では次の5つが大きく変わりました。賃貸業界の人は最低限は下5つは押さえておいてください。

  • 極度額の設定
  • 敷金返還と原状回復の明文化
  • 一部滅失による賃料減額
  • 連帯保証人への情報提供義務
  • 連帯保証人への財産状況の情報提供義務

極度額の設定


今まで連帯保証人は借主が支払わなかった家賃等はすべて連帯して支払う責任がありました。借主がずっと払わなければずっと連帯保証人が支払う責任があります。賃貸借契約はいつまで続くか分かりませんので、連帯保証人は終わりの見えない保証をしなければならなかったのです。

しかし、民法改正により極度額が設定されてからは、連帯保証人が支払うべき合計金額が契約時に決まります。

つまり、賃貸借契約を締結する時に、賃料10万円、極度額100万円と決めておけば連帯保証人はその賃貸借契約における最大支払額は100万円になります。今までは借主が10年支払わなければ1200万円(10万円×12ヶ月×10年)の支払い義務が連帯保証人にありましたが、4月1日以降の賃貸借契約では極度額を定めることが義務です。

これにて連帯保証人の救済措置になります。

反面、連帯保証人がいるから安心という従来のスタンスが大きく崩れます。賃貸借契約が続いているのに連帯保証人が極度額まで支払ってしまったら、それ以上は連帯保証人に請求できませんので家主は泣きます。

そこで家賃保証会社の利用が増えると言われています。保証会社を使うことで家賃が必ず入るので安心というわけです。実は保証会社にも保証上限がありますが、保証会社の場合には早めに回収、早めに訴訟をするので極度額を定めた連帯保証人よりも利用効果は大きいはずです。

ちなみに、極度額をいくらにするのか、何か月分なのかは定められていませんが、18ヶ月~24ヶ月程度が普及しそうです。

敷金返還と原状回復の明文化



今まではなーなーになっていた敷金と原状回復についてもメスが入りました。

賃貸借契約の初期費用で支払う費用には敷金と礼金があります。礼金は最初に支払って終わりですが、敷金は原則的には返ってきます。保証金(デポジット)ですから当然です。

しかし、退去時に部屋が大きく破損している場合には敷金から修繕費を差し引いて返金することはありました。

問題なのは線引きがされていなかったので、家主の判断で勝手に敷金から差し引かれていました。昔から敷金は原則的には丸ごと戻ってくるものですが、特に西日本では敷引償却という名目で敷金は返さない前提の文化がありました。

民法改正によって敷金は返すべきと明文化されました。

同時に原状回復についても触れています。通常使用していれば部屋は必ず劣化します。経年劣化の修繕は基本的に家主負担ですが、やはり今まではなーなーになっていました。

というか、経年劣化なのに容赦なく入居者に修繕費を請求する家主が多かったので明文化されたのだと思います。

このあたりは東京ルール(賃貸住宅トラブル防止ガイドライン)がそのまんまなので、東京は進んでいたわけです。

一部滅失による賃料減額



扱いが難しいのが一部滅失による賃料減額です。

今まで部屋の設備の一部が使えなくなったり、壊れたりした場合には家主に修理するように請求することができました。その上で修理をしてくれ場合には賃料減額請求権が認められていました。

「この部屋はガスが使えないんだから賃料は3,000円減らせ」みたいな請求です。

民法改正後は「賃料減額請求権が認められる」ではなく「当然に賃料は減額」となります。

上で書いた、賃料は3,000円減らせ、みたいな交渉などせずとも当然に賃料は減っているはず、ということです。

具体的に入居者が何をしてくるのかは予想ができませんが、家主側が対応を怠ることで

  • 入居者が勝手に減額した賃料で支払ってくる
  • 規程の賃料を支払っていたが後日、裁判で返還請求される
  • 法律を盾に賃料の未払いを正当性を主張してくる

などが考えられます。賃料の未払いの正当性は多分ないですが、悪質入居者はそれくらいやってきます。

連帯保証人への情報提供義務



これは連帯保証人に聞かれた時には家主は借主の支払い状況をこたえなければならないということです。家主には返答義務ができました。

連帯保証人に聞かれた際に、返答をしなかったり、返答を先延ばしにしたりすると後日、連帯保証人に請求する時に返答義務を履行しなかったことを理由に返済義務もない、などと主張される可能性があります。

連帯保証人への財産状況の情報提供義務



事業用の賃貸借契約の場合、借主には連帯保証人への財産状況などの情報提供義務があります。事業用物件の場合、賃料は高額になりますから連帯保証人には大きな負担を強いることがあります。

しかし、事前に借主の財産や収支状況をきちんと把握し、借主に支払えるのかが疑問であれば連帯保証人にならなければよいので、結果的に連帯保証人の救済につながります。

なお、連帯保証人が借主の財産状況を把握しない契約は無効です。

連帯保証人に提供する情報は次の5つ

  • 賃借人の財産状況
  • 賃借人の収支の状況
  • 賃借人が賃貸借契約の他に負担している債務の有無並びにその額
  • 賃借人が賃貸借契約の他に負担している債務がある場合、その支払状況
  • 賃借人が家主に保証金などの担保を提供するときはその事実および担保提供の内容


民法改正は家賃保証会社には追い風なのか?


民法改正は保証会社に追い風だとずっと言われていました。理由は連帯保証人の負担が今までもよりも少なくなり、連帯保証人を拒否する人が増加する可能性があるからでしょう。

その点、保証会社は審査こそあるもの、基本的には全ての案件を受け入れます。その意味では保証会社に追い風といえます。

問題なのは保証会社によっては審査を厳しくしているので、連帯保証人になりたくないような賃貸借契約を保証会社も審査落ちにしたり、家賃遅延の可能性が極めて低いような優良入居者だけを確保しようとする保証会社が一定するいることです。

保証会社にも大きく分けると3種類あります。

  • 独立系の保証会社
  • 不動産系の保証会社
  • 信販系の保証会社


独立系の保証会社は日本セーフティー、Casa、全保連、JID、ジェイリースなどのいわゆる家賃債務保証会社です。

不動産系の保証会社というのはニッポンインシュア(三好不動産)、SFビルサポート(サンフロンティア不動産)、賃住保証サービス(スターツ)など、信販系の保証会社はオリコやエポスなどです。

信販系は保証会社というよりは信販会社が保証サービスをしているだけですので、審査はご自由にどうぞと思います。優良顧客を囲い込みたいのは当然でしょうから。

不動産系の保証会社は親会社とか関連会社の指針で保証するかどうかを決めたり、案件そのものを受けるかどうかを決めますので戦略上分かります。

わからないのは、独立系の保証会社なのに審査を厳しくて間口を狭くする行為です。なんでもかんでも通せばよいわけではないですが、入居者を保証しないならそれは保証会社としてどうなのかなーと思いますけどね。

この数年でTwitterとかでも保証会社の審査落ちたというのを見かけるようになりました。これは氷山の一角ですから、日本には一定数の部屋を借りづらい人がいるということです。

こういう人を保証するのが本来の保証会社と思う次第です。

民法改正で何が起きるのか


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【NHKおはよう日本】本当に必要?家賃の保証会社との契約について

2020年3月28日(土)の朝7時17分からNHKのおはよう日本という番組で家賃保証会社について特集がありました。

本当に必要?家賃の保証会社との契約

放送された意見について賛否両論あると思います。放送内容はどちらかといえば入居者側の意見ですので、業界人が見れば「それは違うんじゃない?」と思うのではないかと私は感じました。

しかし、保証会社は使われているものの、入居者にとっての存在意義が不明確になっていないところは多く、不満があるのは当然と思います。私は、保証会社に疑問を持っている方の意見を聞いて、素直な方だなと感じました。

色々コメントししていきます。

本契約は保証会社利用が条件

疑問を持ってNHKに投稿したのは横浜在住のAさん(テレビでは氏名が出ていましたが、ここでは伏せます)。「この保証会社と契約を結ばないとこの物件は賃貸借契約できない」と言われたそうです。収入のある父親を連帯保証人にしようとしたが大家側に断られたともあります。

これはよくいう、保証会社が賃貸借契約の条件というやつです。

入居者の方や申込者の方は誤解されていますが、世の中には保証契約と契約することを条件に借りることができる賃貸物件が多くあります。この条件がついている賃貸物件に保証会社なしで契約しようと言っても、それは大家側が最初に提示している条件を覆すことになりますから相当に難しいです。というか無理です。

あまり良い例ではありませんが、マクドナルドでビッグマックは390円、ポテト(M )は280円、飲み物は100円です。別々に買ったら770円です。しかし、セットで買えば600円です。これをポテトが280円で飲み物が100円なんだから600円-280円-100円でビッグマック単品で220円で売れと言っても絶対に売ってくれません。

「保証会社が条件の賃貸借契約」から保証会社を外すというのはこれくらい無茶を言っています。

※マクドの金額が違ったらごめんなさい。趣旨はそこではないので。あと抱き合わせ商法とか面倒なことは言わないように。

保証会社とは


よくある保証会社の図式

ここでよくある保証会社の図式を出して、保証会社とは何かを説明してくれています。

保証会社は借主から保証料を受け取って、支払い保証をします。借主が家賃を支払わなければ、保証会社が大家側に立て替え、後で借主に請求します。

これを聞いて私は驚きました。NHKさん、それは違います。

保証会社は保証をするのが仕事です。家賃が遅れた時に立て替えて後日請求するのは仕事の一部です。それが本業だと思ってもらうと大変迷惑します。
以前にも借主に代わって家賃を立て替える、のは家賃保証会社の業務ではない!で書いていますが家賃保証会社の業務は立て替えと回収ではありません。

保証料は本当に必要だったのか?


利用者の素直な声

保証料の6万円は本当に必要だったのか?と入居者の素直な意見が出ています。業界人にいわせると必要なのですが、これは多くの利用者が考えていることだと思います。

家賃が遅れるのは少数派ですので、自分は絶対に家賃が遅れないんだから保証会社に払っている費用が無駄、そう考えるのは不思議ではありません。しかし、実は保証会社が普及したお陰で敷金、礼金が下がっている事実を利用者はわかっていません。

ですが、それが分からないのも当然です。保証会社も管理会社も仲介会社も入居者に説明しないからです。

大家に説明を求めたところ「借りる条件だ」としか説明がなかったとのことです。これは大家もわかっていない、もしくは説明が面倒だからでしょう。こういう小さいところの不満が今の業界のイメージに繋がっていると私は考えます。

犬塚弁護士のコメント

ここで保証会社に詳しい犬塚浩弁護士からのコメントです。
連帯保証人は連絡がつかず、支払い請求できないケースがあるが、保証会社は必ず補填されるので利便性が高いと話に出ます。実際には連帯保証人は請求しても支払いを拒否してくる連帯保証人の役割を果たしていない人が9割以上ですので使い物になりません。

連帯保証人になったら抗弁権がないんですけど、連帯保証人になった人はわかっていないようです。自分のことを保証人だと思っているようです。そのため、連帯保証人ではダメなので保証会社が普及したという側面もあります。

念のためいっておきますが、保証人と連帯保証人は全く違うものです。

相次ぐ保証会社のトラブル



年間相談件数は500件以上

ここで保証会社のトラブルについて触れています。この手の特集では必ずといってよいほど保証会社はトラブルの元みたい放送をされるのでもう慣れました。

しかし、テレビってずるいなと思ったのが上の表です。表には消費生活センターへの苦情・相談件数(全国)とタイトルにあり、中央に大きく年間500件以上とあります。

NHKからはこの中には厳しい取り立てがあったという相談もあるようですと言っていますが、視聴者はこれを見て、年間トラブルが500件以上あると思うはずです。実際には相談件数が500件以上あってもトラブルは1件かもしれません(500件かもしれません)。件数がわからないのにこういう表を出すとイメージが悪くなります。

続いて、保証会社に退去を迫られた入居者の事例が挙がりました。(実際の放映とは前後しています)

退去を迫られた入居者

正社員だったのですが失業し、転職はしたものの家賃を2ヶ月滞納したそうです。保証会社からは訪問のたびにインターホンは5分以上鳴らされ、電話や催促の手紙は毎日のように来たそうです。

そして、「契約解除になります」ではなく「契約解除になりました」ので「何日以内に荷物をまとめて出て行ってください」と言われたそうです。

さらに問題なのは、この方は事前に家主に転職先の給料が入り次第、家賃を支払うことを話していて大家の了承を貰っていたのに保証会社から請求、退去を迫られたとのことです。

これは完全に入居者側の目線で放映されているので事実はわかりませんが、保証会社側にもダメな点が多々あります。

毎日の電話、訪問、手紙は連絡がつかなければ普通です。居留守をつかわれたのかもしれませんが、そもそも保証会社から恫喝があったので話をしないようにしていただけかもしれません。5分以上のインターホンは法律的には問題なくてもかなり危ないです。大家との話はどこまで信用してよいのかわかりませんが、大家は保証会社に立て替えてもらうから良いという意味で「いいよ」と言った可能性はあります。もしくは収納代行で大家の意思とは無関係に立て替えたかもしれません。どちらにしても保証会社が入っているのであれば大家に直接相談するのは契約上は入居者側の手落ちです。入居者は自分から保証会社に連絡する義務があるはず。

契約解除になりました、とか荷物をまとめて出ていけの件は保証会社の追い出し行為の可能性が非常に高く、こういう保証会社は早くなくなってほしいです。昨年1月のことらしいので、2019年1月頃・・・あっ・・・(察し)。

結局この方は退去はせず、2ヶ月分を支払って、今でもそこに住んでいるそうです。

保証会社のトラブルにあわないためには



保証会社の登録制度

保証会社のトラブルにあわないための1つの判断基準として保証会社の登録制度についても触れました。登録している保証会社は大丈夫なはず、ということでしょうが、たぶん、上の事例の保証会社って(自主規制)。

専門家のご意見

借金の取り立てには貸金業法がありますが、保証会社の場合には法律で制限されていません。そのため、一定のルールは定めた方がよいという意見が出ています。その通りだと思います。

保証会社の自主ルールはありますが、判断基準があいまいで統一ルールではありませんので。

最後に。

もし保証会社の立場は正当とかNHKの批判をしているように読めたら私の文章力が無いせいです。すべては保証会社を知ってもらい、理解してもらっていないことが原因だと考えます。

だから、私も情報発信しています。

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ジェイリースの中島拓奨学基金は志は立派なのに、疑念を抱くのはなぜか

意外にご存知の方がいないようなのですが、JIDとジェイリースは一般社団法人を持っています。そして、どちらも奨学金を支給しています。利益を上げている会社として社会へ還元しているものなので、大変に素晴らしいと思います。

しかし、JIDとジェイリースの姿勢というか、理念というか、違和感がありますのでちょっとご紹介いたします。

一般社団法人JID財団


2016年9月にJIDが設立した一般社団法人。

小学生・中学生には給付(返還義務なし)の奨学金、高校生・大学生には無利息の奨学金を支給されます。

一般社団法人中島拓奨学基金


2018年5月にジェイリースが設立した一般社団法人。

視覚障がいを持つ大学生または求職者に奨学金やサポートを行う。

違和感の正体は何か?



JID財団は立派だと思います。少なくとも傍目には大変有意義なことだと見えます。疑問に思ったのは中島拓奨学基金の方です。

なぜ社長個人の名前なのか?

JID財団はJIDという会社名を使っています。一番分かりやすい方法です。対して、中島拓奨学基金は代表取締役社長である中島拓の個人名を使っています。

個人名でも一向に構わないといえば構わないのですが、なぜ個人名なのかは考えてしまいます。JIDの場合、井坂泰志の社長時代(現会長)に設立をしています。そして、現社長に代替わりをしても社団法人名はそのまま使えます。当然です。

設立者の氏名を使うことで、代替わりをしてもそもそもの発端が分かるという点では名前はありだと思います。カーネギー財団などを考えればありだと思います。

しかし、氏名を大々的に使うほどのものなのか?と少し違和感を覚えました。

なお、中島拓奨学基金のサイトを見ると、ドメインはnh-shogakukikin.jp、英名はNakashima Hiraku Scholarship Foundation、コピーライトはNakashima Hirakuだそうです。

すべて代表の個人名一色。特にコピーライトは代表個人ではなく、一般社団法人名になるのが正しいはずです。

理事長の顔が見えない

サイトを見返して思ったのは、中島拓奨学基金には写真がほとんどありません。別にイラストでもよいのですが、文字中心と感じました。別に写真やイラストが重要なわけではありません。

JID財団には理事長の顔写真があるのに対し、中島拓奨学基金には基本的に文字だけです。ただし、中島拓奨学基金では視覚障がい者を対象にしていることから、画像があっても見えないことを想定しているのかもしれません。

実際、中島拓奨学基金のサイトには背景色を青(標準)と黒で切り替えられます。私なんかは背景色を黒にすると違和感がありますが、視覚障がい者にとっては色のコントラストがはっきりするので読みやすいというのはあるのかもしれません。

目的は何か?

当然、どちらも社会貢献なのでしょうが、JID財団は小学生~大学生までの奨学金であるのに対し、中島拓奨学基金は視覚障がいのある大学生・社会人を対象としています。

なぜ、視覚障がい者だけなのかは、設立者の中島拓も目に病気があったことが起因しているようです。

売名行為に思えてしまうのは私の心が醜いからか

質問はなんでも答えますので info@hoshokaisha.jp まで。

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