家賃保証会社社員が本気で何でも答えたら

家賃保証会社に関してネットには嘘や誤解が多すぎる。だから自分が答える!

ジェイリースが出している東京証券取引所への改善報告書がおもしろい

スポンサーリンク
ジェイリースが東京証券取引所への改善報告書を出しています。

読んでみましたがずいぶんと面白いことを書いていましたのでご紹介いたします。

そもそも、なぜ東京証券取引所に改善報告書を出しているかというと、貸倒引当金の処理を修正したら過去の決算情報も変わったので修正した決算情報を出したのですが、上場企業だと単に「修正しました」では済まないようです。

私は会計処理には詳しくありませんので推測ですが、決算情報が変わると株価に影響するからではないでしょうか。良い決算内容であれば将来への期待から株式が買われる、つまり会社が儲かることになり、悪い決算内容であれば不安から株式が売られる。

ジェイリースは意図してはいなかったのでしょうが、株価を操作したという疑いが持たれたので話が大事になっているのだと思います。真偽は分かりませんが、将来的なことを考えると貸倒引当金の処理は早めに修正したほうがよいに決まっていて、ジェイリースも上場している、しかも大分県出身の期待の星ですから、今損害が出たとしても将来のために断行したのだと思います。

さて、冒頭で紹介した改善報告書をご覧になれば内容はすべて書いてありますが、内容が長文です。一般消費者に読まれることを想定して書いている文章ではありませんので抜粋して解説いたします。

端的に3行でまとめると

立替額に対して引当金が少ないので心配です。
だから今までのやり方を変えました。
原因は認識が足りなかったせいです。


という内容です。雑すぎるのでもうちょっと詳しくやります。

ジェイリースは家賃保証会社ですので、入居者を保証しています。だから、もし入居者に家賃延滞があったらジェイリースが家主に家賃を立て替えます。その後、入居者に連絡を取って回収するのですが、時には回収できないことがあります。

この立て替えた家賃のことを報告書内では「代位弁済立替金」とよび、回収できなかった家賃を貸倒引当金として処理しています。

この回収できない金額、貸倒引当金の計算方法が元々は
債権の発生期間別(毎月の賃料等に係る代位弁済のそれぞれの発生日を基準とする)で区分し、貸倒実施による直接償却をもとにした貸倒実績率を用いて回収不能見込み額を算定
とあり、新しい算定方法は
債務者別(同一顧客に対する複数の債権を名寄せし、その中で最も古い債権の発生日を基準とする)で区分し、貸倒実施による直接償却及び個別引当金の設定による間接償却をもとにした貸倒実績率を用いて回収不能額を算定
とあります。

ええ、読んでも分かりません。私にも分かりませんが、経験上合理的に貸倒金に引き当てることを考えると、元々の計算方法は家賃が発生して一定期間が過ぎたものを貸倒引当金として処理していたが、新しい計算方法では、そもそも回収できない人からは回収できないものとして予め処理しておくことを追加するというように読めます。

報告書では更に続き、今回の問題の発生要因に触れています。体制と知見が不十分であったと書いていますが、その付近に気になる記述があります。
九州エリアにおいては、当社との保証委託契約において連帯保証人を付けることが自然と行われていたこともあり、代位弁済立替金の回収率が高かったこと、また債権回収に対する人員体制も十分であったことから、非常に高い回収率を維持できておりました。

そして、東京、大阪等への都市部への進出により売上は伸びたものの、代位弁済立替金も急増したということです。分析をすると以下の3点が問題として出てきた。
  • 連帯保証人がつかなくなった
  • 人員が不足した
  • 回収が楽な短期延滞から回収していたため、中長期延滞は後回しになっていた
私は同業ですから、ここまで読んで思いました。

ああ、ジェイリースはやっていたんだ

と。 何をやっていたの?と思った方、やっていたというのはやっていた、という意味です。

なお、報告書内では代位弁済立替金の取り立て不能理由として、賃借人の死亡や破産と書いていますが、これは、もう、そういうことです。

証券取引所に提出している書類ですから、文章は堅くなるといいますか、俗っぽい書き方はしないのが通例です。だとしても、この書き方は意図的に書いているとしか思えません。うーん、言葉の言い換えってすごいですね。

しかし、考えようによっては今の段階で問題点を出して改善できればまだまだこれからということです。

上場するって大変ですね


うーん、おもしろい。

ちなみに報告書の後半は読んでいても全くおもしろくありません。

何を言っているのかわからない方、詳細を知りたい方はメールをください。
info@hoshokaisha.jp まで

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

借主に代わって家賃を立て替える、のは家賃保証会社の業務ではない!

スポンサーリンク
いつだったか、家賃保証会社の審査に通りそうもないときには、自分の誠実さをアピールすれば審査に通る、わけないでしょ、みたいな記事を書きました。

今日もまた、引越しの記事を書いています。引越しの際に家賃保証会社が必須なこともあると書いていただけるのは大変ありがたいのですが、
保証会社とは、借主が家賃の滞納などを行った際に借主に代わって家賃を立て替える会社のことだ。
と書いているのはいただけません。

家賃保証会社は、保証することが仕事です。決して家賃滞納があったときに立て替える会社ではありません。不動産会社さんでも勘違いされている方が多いですが、立て替えているのは結果論であって、保証しているから立て替えているんです。生命保険の会社のことを「契約者亡くなったらお金を払う会社」とは言わないのと同じです。

このあたりは残念ですねー。2019年も私は「家賃保証会社の仕事は立て替えることじゃない」といい続けます。

なお、紹介した記事では
敷金とは、借りた物件の修繕費用や、家賃滞納時の補填に使われるお金だ。
と書いているところを見ると、このライターはあまり不動産知識を持っていないようです。

ですが、YOSCAというライティング会社の記事なので、こんなもんでしょう。

ガジェット通信はYOSCAがお好きらしい


ご意見は info@hoshokaisha.jp まで

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォーシーズが新サービスをはじめたらしいが、一風変わりすぎて何がしたいのか分からない

スポンサーリンク
フォーシーズというオフィス系に強い家賃保証会社があります。このフォーシーズ、他の保証会社と比べてもだいぶ特色がある独自路線なのですが、ホームページを見るとまた新しいことをはじめたようです。

倉庫・工場・貸地探しというサービス?なのですが、正直よく分からない。

元々「お部屋探し」と「オフィス・店舗探し」というサービスがあり、家賃保証会社が不動産賃貸業もやっていて、部屋を探せるのかと思いきや、地域から不動産会社を探せるという機能があるだけです。

この機能の趣旨がどこを見ても書いていないので何をしたいのか分からないのですが、おそらく、今の時点でフォーシーズと契約している入居者が次回も使ってもらえるように、提携している不動産仲介を探せる機能なのだと思います。実際、引っ越した際に再度使うことで割引があるとホームページにあります。

しかし、悲しいかな。家賃保証会社を入居者が選ぶようになるのはまだ先の話。実際には不動産会社が家賃保証会社を指定しています。本当は入居者が選べるようになると悪いところは淘汰されるので良いと思うんですけどね。

さて、たぶん、そんな提携不動産会社を調べることができる機能ですが、通常の住居とオフィス系以外に倉庫、工場、貸地も始めたようです。相変わらずマニアック路線です。

倉庫も工場も貸地も普通の家賃保証会社は保証しない分野です。保証しないというよりはリスクが高すぎて保証したくないし、利益が出づらい分野だからだと思います。

一般的には倉庫や工場は家賃単価が高めなので、契約時の保証料は高めです。しかし、一度家賃が遅れた時が大変です。一個人の家賃延滞の場合には一般的には次に給与で払えます。しかし、法人の家賃延滞があったときには、次の支払いがいつになるのか確定しないことが多いからです。

たぶん、戦略的に他の保証会社が取らないところを取ることでリスク分散して多少の延滞があってもプラスになるようにしているのだと思います。そのあたりが功を奏しているのでしょうが、実績ページを見るといい感じで右肩上がりです。

右肩上がりなのは家賃保証会社は大体右肩上がりなのですが、フォーシーズの場合はオフィスや工場などの高額帯を取ってのことだから真似ができない。

そして、工場や倉庫の最大のリスクは訴訟になったときだと思います。一般的な住居では家賃滞納があり裁判をした場合、相手が出ていかなければ立ち退きの強制執行を行います。いわゆる、強制退去です。荷物は専門の業者が運び出して入居者に渡すか処分するかします。

工場の場合、通常では考えられないような備品があったり、什器があったり、薬剤があったりするので、普通、怖くて手が出せない分野です。そのあたりのリスクまで背負っているのでやはり真似できない。

ちなみに冒頭で独自路線と書きましたが、フォーシーズはオフィス系で強いというのはもちろん、家賃の上限額を定めず、家賃の立て替え回数を定めず、審査の承認率は98%以上でいわゆる保証ブラック以外は全て通るとまで噂されている会社です。広告は常人には理解しがたいものを出します。

ちなみに一般的な家賃保証会社の審査承認率は高くても8割~9割です。ほとんどの人は通りますが、それでも割に合わない人は審査に通りません。98%を公言している保証会社のはフォーシーズとアドヴェントくらいです。

ちなみのちなみに無借金経営を前面に出していますが、借り入れはない方がよいけれど、借り入れがあることは何も悪いことではないので、どこまで響くかは微妙です。そういう意味では、他の保証会社とはやり方も主張もまったく違うので独自路線です。

ちなみのちなみのちなみに、ケーシーズという名前が似ていますがフォーシーズとまったく関係ない消費者支援機構と猛烈に揉めているらしいです。

このケーシーズはかなりのアンチ保証会社のようで、今まで日本セーフティー、Casa、JIDなど数多くの家賃保証会社に申し入れという名の申し入れを行い、相手にしていられないので申し入れを受け入れられていますが、両者まったく引く気がないらしく2016年の話を、本日の時点でもまだ争っています。

この争いについては、私も過去に少し触れていますので気になる方はどうぞ。

喧嘩するほど仲がよいとは言いますが、これは完全に仲が悪い例ですね。

戦略的に独自路線なのか、隙間を探して独自路線なのか


ご意見は info@hoshokaisha.jp まで

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年、家賃保証会社はどう変わるか?

スポンサーリンク
2019年ももう半月が経ちます。家賃保証会社の新年は、年末の支払い不履行の対応に追われることになるのですが、年始早々、管理会社から家賃滞納の報告が続々と届きますので、1月初旬は回収部隊は大忙しです。

そんな新年ですが、2019年に家賃保証会社業界での動きを予想してみます。

  1. 国土交通省の家賃債務保証業者登録制度
  2. 家賃保証会社の統廃合
  3. 電子署名の導入
  4. 家賃保証会社 対 信販会社の激化

1.国土交通省の家賃債務保証業者登録制度
2017年に登録受付を開始し、2018年の1月から登録が徐々に始まりました。現在では58社が登録しています。

もともと登録したところでほとんど意味をなさない形だけという意味合いの強かった登録制度ですが、家賃保証会社は全国で推定150社ですので3割は参加していることになります。大手はほぼ登録していますので、2019年は家賃債務保証事業者協議会と連携(?)して何かしてくれそうです。と期待します。

何かしてくれないと何のための制度なのか分からず、税金の無駄遣い感が出てきます。2018年は登録家賃保証会社を増やす年、2019年から始動、と信じたい。

2.家賃保証会社の統廃合
2018年はリーガル賃貸保証の買収アレモの買収と新しい風が吹きそうな統合が進みました。

また、2018年11月下旬にはハウスドゥが家賃保証業界に参入するなど大きな動きが見られそうです。おそらくこの統廃合や新規参入は2019年も続くと思われます。

家賃保証業界は儲けにくい業界だと思いますが、今は民法改正もあり波に乗っています。そして、期待はでき、市場は非常に大きいはずなのに超大手が参入していません。業界最大手クラスでも売上100億円程度ですから、適当な保証会社数社を買収してシステマチックにお金に変えるIT企業なんていうのが入ってきても不思議ではありません。

また、不動産業界的にも保証会社の認知がだいぶ進んでいますので、普及率という意味では申し分ないです。保証会社がストックビジネスということを考え、初期投資をいくらか入れてブーストを掛けて数年で黒字化、というのはぜんぜんありうる線だと思います。

たぶん、今までのような不動産会社系発の保証会社ではなく、まったく違う業界が目をつけて参入してくると思います。

3.電子署名の導入
不動産業界は完全に紙媒体の業界です。これはIT化が遅れているというのもありますが、法律の縛りがあるのでどうしても紙でしか対応ができないというのがあります。

しかし、家賃保証会社は関係がありません。世間の波に乗ってIT化が進むことは十分ありえます。

2018年11月にはキマRoom!Signコネクトというのが出てきましたが、こんな感じで電子化が進むと思います。家賃保証会社と入居者の連絡がLINEみたいにチャットになったり、クラウドシステムが発達して家賃保証会社と不動産会社とのやり取りが利便性が上がったりというのが考えられます。

というよりも、そうしないと新規参入してきたIT系の保証会社が出てきたときに対抗できなくなります。

4.家賃保証会社 対 信販会社の激化
つまり、クレジットカードでの家賃支払いが普及してくると思われます。

クレジットカード払いはポイントがたまるというメリットはありますが、デメリットもそれなりに大きいです。そのあたりをどうアピールして売ってくるかですが、信販会社からの売り込みは激化し、家賃保証会社のシェアを奪ってくる可能性が高いです。

可能性が高いっていうか、数年前から動きはありますけどイマイチな動きだったように思います。ですが、家賃保証会社側がクレジットカードと保証をセットにして売り出し始めたので信販会社も負けじと新サービスを出すのではないかと。

実際に出すかどうかは分かりませんが、入居者にとって良いサービスが出ることそのものは良いことです。

問題なのはクレジットカードが出てくることで信販会社だけが得をする、不動産屋だけが得をするというのが出てこないかが心配です。

ちなみに、クレジットカードとのセット商品で家賃保証会社の利益はほとんど出ません。それはカード会社の手数料が厳しすぎて利益が出せないからです。この手数料の高さが家賃のカード払いの普及に待ったを掛けていたと思うのですが、最近ではずいぶんと下げているようですので、油断はできません。

IT系の恐ろしいところは出てきたサービスに追いつけないこと


ざっと思いついたのがこんな感じの4つですが、また、面白い情報が入ったらお知らせいたします。

ご意見は info@hoshokaisha.jp まで

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

日管協短観2018年度上期データ。家賃保証会社利用割合は95.33%!機関保証への加入必須割合は78.7%!

スポンサーリンク
日管協短観2018年上期データが公開されています。

管理会社1,251社に送って戻りが153社(回答率12.2%)ですから戻りは悪いように見えます。しかし、これだけまとまった資料は貴重だな、といつも思います。

この短観を見ると家賃保証会社の利用割合という項目では

全国:97.50% → 95.33%

という数字が見えます。不動産会社はほぼ家賃保証会社を使っているということですね。しかし、2.17%とはいえ利用率が下がっているのは解せません。

私の立場上というのもありますが、家賃保証会社を使ったことのある不動産屋は家賃保証会社を使い続けると思います。もちろん、保証会社を乗り換えることはありますが、どこかしらの保証会社を使うはずです。

なぜならある一定以上の規模になると家賃滞納があった際に1件1件対応しきれないからです。

保証会社を利用せずに家賃滞納をすべて自社で回している管理会社も稀にありますが、審査をきちんとしているために滞納率が極端に低いか、回収専用の部署があるか、根性論で回すかのどれかだと思います。

それだけ家賃滞納がたくさんあると手に負えなくなります。ときどき、家賃滞納まで対応するのが管理会社の仕事だ、という方がいますが、家賃は決められた日までに振り込むのが契約なのに契約違反した方の面倒まで管理会社がみないといけないのがどうかしているのです。

利用率が下がったのを見て最初に考えたのは、不動産屋の高齢化です。夫婦や家族で経営している不動産屋の場合、管理まで手が回らなくなり縮小したり、仲介のみに専念したりするために保証会社の利用がなくなったのではないか。

そしてもう1つ考えたのは、家賃のクレジットカード払いにやられているのではないか、です。

家賃をクレジットカードで支払うとしても家賃滞納が続けばカードでの支払いはできなくなりますから管理会社で対応しなければならないのは変わりません。

しかし、短観によると2ヶ月以上滞納率は1.3%です。入居者の98.7%は家賃滞納しないか、滞納しても2ヶ月以上はたまらないということです。

家賃をクレジットカード払いにしておいて、カード支払いもできなくなってから退去交渉、裁判を自社で回しているだとしたら、考えようによってはありです。裁判のノウハウまであればですけど。

そして、短観には機関保証への加入必須割合が78.7%となっています。家賃保証会社ではなく機関保証という言い方が気になります。クレジットカードのことは機関保証とは言わないと思いますが、保証人代行のことをさしているのだろうか。しかし、どちらにしても78.7%という数字はほぼ家賃保証会社のことでしょうから8割弱は保証会社必須というのは大きいですね。

統計資料というのは貴重です


ご意見は info@hoshokaisha.jp まで

  • このエントリーをはてなブックマークに追加